2018年度関税率、自動車は引き上げ、鉄鋼は引き下げに

(イラン)

テヘラン発

2018年04月18日

イラン産業鉱山貿易省から、2018年度(イラン暦1397年:2018年3月21日~2019年3月20日)の関税率が発表された。イランでは年度初めに関税率が改定、発表されるが、2018年度の改定のポイントとしては、自動車の関税率が引き上げられた一方で、鉄鋼の関税率が引き下げられた。

2017年末に自動車の関税率は大幅引き上げが発表されていた(2018年1月23日記事参照)。しかし、大気汚染が深刻化しているイランで、その主な原因は自動車からの排ガスといわれている中、ハイブリッド車およびPHV(プラグインハイブリッド車)の輸入関税の引き上げには強い反発が出ていた。2018年2月には行政裁判所から引き上げを保留する旨の通達があり、その後自動車輸入市場に混乱が生じていた。2018年度の関税率表では、行政裁判所からの通達などを踏まえ、自動車の関税率が発表された(表参照)。

表 自動車の輸入関税率の変化

鉄鋼(HSコード第72類第2節に該当する製品)の関税率は多岐にわたるが、軒並み引き下げが行われた。2016年に中国からの低価格製品の輸入増加を背景に関税率の引き上げが行われたが、2017年初めごろから供給不足を理由として、関税率の引き下げが度々議論されていた。

関税率の引き下げ幅は製品ごとに異なり、0~15%程度のとなっており、例えばフラットロール製品(熱間圧延、厚さが4.75ミリ以上のもの、HSコード720825)は20%から15%へ、フラットロール製品(熱間圧延、厚さが4.75ミリ未満のもの、HSコード720826および720827)は20%から10%へ引き下げられた。イランは鉄鋼生産国で、世界鉄鋼協会によると、2017年の粗鋼生産量は世界13位の約2,172万トンだった。

(藤塚理)

(イラン)

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