分断と協調-岐路に立つ国際ビジネス拡大するEC市場(世界)
中国発越境事業者に逆境の可能性
2024年10月23日
電子商取引(EC)小売市場が、世界的に拡大し続けている。市場を牽引するのが中国と米国だ。この両国で世界シェアの7割を占める。
特に中国発プラットフォームのシーインやテムなどが存在感を示し、越境ECが増加している。世界中で人気が高まる一方、課題も指摘されている。
右肩上がりのEC小売、中国と米国でシェア7割
米調査会社eMarketerによると、電子商取引(EC)小売(注1)の世界市場規模(売上高)は2023年、5兆8,211億ドルを記録。前年の5兆2,915億ドルから10.0%増になった(図1参照)。
EC市場は新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要を受け、2020年に前年比27.0%増と大きく拡大。続く2021年も、同16.8%増になった。その後、特需は一服したものの、2022年に前年比6.3%増、2023年同10.0%増と、安定して増加した。2024年、2025年も8%台の成長を見込んでいる。その後も右肩上がりが続く予測になっている。
小売全体に占めるEC小売の割合(以下、EC化率)を見ると、2023年は19.4%。前年(18.7%)から0.7ポイント増加した。2024年には、2割を超えると予測されている。
国・地域別に見ると、2023年にEC小売市場規模首位だったのは中国である。2兆9,875億ドルを記録し、世界シェアは5割を超えた(表1)。そのEC化率は48.0%に及ぶ。成熟市場と評価できるにもかかわらず、前年比11.4%増の成長を遂げている。世界全体のEC小売を牽引する存在と言えるだろう。
2位の米国は、前年比8.1%増。1兆1,243億ドルで、世界シェア約2割に上る。もっとも、EC化率は15.5%にとどまり、中国との差が大きい。
続く英国は前年比4.8%増で、規模は2,094億ドル。EC化率(29.6%)では中国に続いて2位となっている。
日本は規模で4位(1,955億ドル)となり、前年比12.7%増と伸びた。ただし、EC化率は13.7%で、世界平均(19.4%)を下回っている。
国・地域名 | EC小売売上高 |
小売全体に 占める EC比率 |
||
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金額 | 前年比 |
世界 シェア |
||
世界 | 5,821.1 | 10.0 | 100.0 | 19.4 |
中国 | 2,987.5 | 11.4 | 51.3 | 48.0 |
米国 | 1,124.3 | 8.1 | 19.3 | 15.5 |
英国 | 209.4 | 4.8 | 3.6 | 29.6 |
日本 | 195.5 | 12.7 | 3.4 | 13.7 |
韓国 | 125.1 | 6.6 | 2.1 | 25.1 |
インド | 100.4 | 15.0 | 1.7 | 8.0 |
ドイツ | 92.2 | 0.2 | 1.6 | 8.6 |
フランス | 81.0 | 3.0 | 1.4 | 9.8 |
カナダ | 80.3 | 6.2 | 1.4 | 11.4 |
ロシア | 77.4 | 14.0 | 1.3 | 11.5 |
インドネシア | 75.6 | 1.6 | 1.3 | 26.4 |
ブラジル | 69.7 | 15.4 | 1.2 | 10.9 |
メキシコ | 44.1 | 25.1 | 0.8 | 13.5 |
スペイン | 42.4 | 6.5 | 0.7 | 10.1 |
オーストラリア | 32.8 | 3.5 | 0.6 | 9.2 |
注:eMarketerの推計に基づく。2023年のEC小売市場規模上位15カ国と世界全体のデータを掲載。
出所:eMarketerから作成
越境ECも拡大、世界中で中国から購入
国境を超えたEC取引(越境EC)も、規模が拡大している。
越境EC利用者数は2023年、上位10カ国の合計で約5億7,300万人(図2)。2017年は3億人強に過ぎなかったので、6年間で1.8倍に増えたことになる。eMarketerの推計によると、2024~2025年も右肩上がりの予測だ。
その利用者が最も多いのは中国で、米国が続く。3位から5位は順に、ブラジル、メキシコ、ロシア。また8位にインドネシアがランクインした。新興国も主要な越境EC市場ということを示している。いずれにせよ、越境EC利用者が世界的に増加していることは、間違いない。
なお、米国のソフトウエア会社アヴァララ(Avalara)は、2023年の越境EC取引総額が1兆ドルを超える可能性が高いと推計した(2023年4月時点の予測、注2)。
このように、越境ECは広がりを見せている。では、どのように「越境」しているのだろうか。
国際郵便機構(IPC)が2023年9月に実施した越境ECに関する調査(注3)では、直近の越境EC利用でどの国から商品を購入したかを尋ねている(表2参照)。結果を見ると、上位3カ国に近隣国や域内の主要国がランクインしている例が多い。地理的な近接性が、越境EC利用時のプラットフォームの選好に一定程度影響していると考えられる。
それ以上に、中国からの購入が地域を問わず目立っていることが注目に値する。調査対象の41カ国全てで、中国からの購入が3位以内にランクイン。うち30カ国では、首位を占めたのだ。
中国から購入したと答えた割合が最も高かったのはブラジル(73%)。同じく南米のチリ(72%)が続いた。インドネシア(56%)、米国(53%)、スペイン(53%)、ポーランド(53%)、ドイツ(50%)、オランダ(50%)で5割台になった。さらに、その割合が2021年と比べて3%以上増加したのは、25カ国に上った(英国やドイツをはじめとする欧州16カ国と、米国、メキシコ、チリ、ブラジル、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)。
中国発プラットフォームに存在感
IPCはこの調査の中で、直近の越境ECによる購入で利用したプラットフォームについても尋ねている。その結果、アマゾンと中国発プラットフォームが上位を占めた(図3)。
企業別には、(1)アマゾンが24%と他を引き離した。これに、(2)アリババ/アリエクスプレス(Alibaba/AliExpress、16%)、(3)シーイン(SHEIN、9%)、(4)テム(Temu、7%)が続いた。(2)~(4)はいずれも中国発プラットフォームで、存在感を発揮したことになる(注4)。
中でも、テムとシーインは、莫大なマーケティング予算をデジタル広告やプロモーションに割く。また大幅な値引きを行うことで低価格を実現。インフレ下で価格に敏感な顧客や、「Z世代」にアピールしている(注5)。両社の概要を示すと、以下の通りだ。
- シーイン
2012年に創業。目下、150カ国以上で、衣料品のECブランドを展開している。取扱品目を展示するだけ(販売はしない)という実店舗を2022年11月、東京・原宿にオープンしたことでも、話題を集めた(注6)。
サプライチェーン全体をデジタル技術で可視化し、リアルタイムで需要と在庫を管理している点が強みだ。新製品はまず100~200個の小ロットで生産し、顧客の需要に合わせて追加生産することで過剰生産を防ぎ、廃棄物の削減にも努めている。 - テム
日用品や衣類、家電など幅広い商品を取り扱う。世界中で急速に普及しつつある。
ショッピング体験にゲーム要素を取り入れることで、消費者の購買意欲を刺激しているのも、特徴だ。例えば、ルーレットやカウントダウンタイマーを使用して顧客にボーナスやクーポンを提供している。また、アフィリエイトやインフルエンサーマーケティング(注7)の活用に力を入れる。こうして、新規顧客やリピーターを獲得しているわけだ。
Statista(AppMagicのデータから引用、注8)によると、2023年、テムのアプリのダウンロード数は世界全体で3億3,772万を突破。ショッピングアプリの中で当該年最多を記録した〔ちなみに、2位がシーイン(2億6,194万)、3位アマゾン(1億8,812万)〕。テムは2022年9月創業と後発ながら、短期間で急速にシェアを拡大したことになる。
では、シーインとテムのアプリのシェアが特に高い市場はどこなのか。シーインの国別ダウンロード数(2023年)は、(1)ブラジル(5,327万)、(2)米国(3,651万)、(3)メキシコ(2,735万)の順だった。またテムは、(1)米国(27%)、(2)メキシコ(10%)、(3)英国(5%)と続く(注9)。両社とも、米国と中南米市場で最もプレゼンスを高めていることがわかる。
シーインとテムの両社とも、顧客を直接中国に所在する自社の製造拠点につなぐ。小売流通で一般的な中間業者を排除することにより、コストを大幅に削減するのが狙いだ(注10)。
従来の小売企業やEC事業者は各地で商品を大量に輸入し倉庫に保管した上で、店舗や購入者に配送する。これに対しシーインやテムは、安価な製品を直接購入者に小口配送する。米国(執筆時点)や日本、韓国を含め、複数国・地域に少額輸入貨物優遇制度があるため〔一般的な物品税(日本で言う消費税)や関税の減免など(注11)〕、価格競争上の優位を得てユーザーを獲得してきた。
なおアマゾンも、中国で生産された安価商品を同国の倉庫から直接消費者へ発送するサービスを始めると報じられている。この方針の背景には、シーインやテムに対抗する狙いがあるとみられる(2024年7月5日付ビジネス短信参照)。
中国から小口配送が増加した事実は、貿易実績からも読み取れる(表3参照)。中国からの輸出は2023年、軒並み減少していた(世界全体で前年比5.1%減)。しかし小口貨物(注12)に限定すると、同72.0%の大幅増だった。輸出相手国・地域別に最大だったのは、米国(約168億ドル)。2位のマレーシアに約5.8倍の差をつけた。その他、欧州やアジアを中心に、複数国・地域への輸出が10億~20億ドルを超えた。2024年に入っても、同様だ。同年1~6月は輸出全体の伸びが小幅にとどまる(前年同期比1.4%増)のに対し、小口貨物は伸びが堅調だ(同45.1%増)。
特に欧米諸国では、その差が際立っている。一般機械(HS84類)や電気機器(HS85類)などの戦略品目を中心に、中国からの輸入構成比が減少している(注13、本特集「米中関係から見る貿易構造の変化(米国、中国、世界)」参照)。対照的に一般消費者の越境EC利用では、むしろ中国依存が強まっている状況が見て取れる。
国・地域名 | 2023年 | 2024年1~6月 | ||||||
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小口貨物 | 輸出全体 | 小口貨物 | 輸出全体 | |||||
金額 | 前年比 | 金額 | 前年比 | 金額 |
前年 同期比 |
金額 |
前年 同期比 |
|
世界 | 61,437 | 72.0 | 3,422,176 | △ 5.1 | 38,164 | 45.1 | 1,710,352 | 1.4 |
米国 | 16,787 | 103.9 | 506,021 | △ 13.0 | 9,620 | 47.5 | 241,491 | △ 0.8 |
マレーシア | 2,872 | 61.8 | 89,981 | △ 5.4 | 2,747 | 146.2 | 48,573 | 7.3 |
英国 | 2,628 | 119.3 | 78,854 | △ 3.4 | 1,460 | 49.7 | 37,267 | △ 0.6 |
台湾 | 2,608 | 5.9 | 68,494 | △ 15.7 | 1,416 | △ 3.7 | 36,065 | 11.7 |
ベトナム | 2,358 | 139.1 | 141,872 | △ 3.9 | 1,410 | 18.3 | 78,195 | 15.5 |
オランダ | 2,324 | 67.6 | 100,682 | △ 14.4 | 1,017 | △ 7.5 | 44,219 | △ 15.6 |
ベルギー | 2,169 | 213.0 | 32,720 | △ 7.9 | 1,530 | 90.6 | 16,394 | △ 7.8 |
シンガポール | 1,961 | 2.2 | 79,562 | △ 3.0 | 690 | △ 46.3 | 40,877 | △ 2.9 |
フランス | 1,930 | 64.5 | 41,775 | △ 8.4 | 1,313 | 56.3 | 21,206 | △ 0.3 |
タイ | 1,845 | 100.2 | 76,876 | △ 2.4 | 1,141 | 67.3 | 41,483 | 6.3 |
サウジアラビア | 1,815 | 35.4 | 43,539 | 14.3 | 955 | △ 3.9 | 23,835 | 9.2 |
韓国 | 1,699 | 94.3 | 150,960 | △ 8.0 | 1,405 | 100.1 | 72,864 | △ 5.8 |
メキシコ | 1,689 | 108.2 | 81,865 | 5.7 | 1,434 | 149.7 | 44,325 | 12.2 |
スペイン | 1,626 | 85.9 | 39,809 | △ 4.5 | 1,191 | 84.8 | 19,774 | △ 3.3 |
日本 | 1,525 | 86.1 | 158,091 | △ 8.7 | 945 | 27.2 | 74,161 | △ 6.9 |
ブラジル | 1,306 | 21.6 | 59,350 | △ 4.1 | 614 | △ 0.2 | 35,138 | 23.4 |
香港 | 1,263 | 146.2 | 278,665 | △ 7.8 | 1,211 | 418.3 | 137,270 | 8.2 |
イタリア | 1,111 | 118.4 | 44,661 | △ 12.2 | 693 | 44.2 | 22,922 | △ 0.5 |
ドイツ | 1,027 | △ 0.8 | 101,098 | △ 13.0 | 653 | 34.6 | 51,284 | △ 1.8 |
カナダ | 961 | 59.2 | 45,526 | △ 15.3 | 611 | 51.7 | 22,515 | 1.2 |
注1:輸出金額ベース。中国の統計から作成。
注2:小口貨物の詳細は文末脚注12参照。
注3:世界全体と、2023年の中国の小口貨物輸出金額上位20カ国・地域を掲載。
出所:Global Trade Atlas(S&P Global)
小口貨物輸入優遇を見直す動きに
他方、こうした中国勢の猛攻に待ったをかける動きも出始めた。いくつかの国・地域では、小口貨物輸入に対する減免税を見直す流れがある。その一例は、以下のとおりだ。こうした制度変更は、中国発EC事業者が海外で発揮する競争力に影響を与える可能性がある。
- EU
従来、22ユーロまでの少額商品を輸入する際、付加価値税(VAT)賦課を免除していた。しかし2021年7月1日から、EUへの輸入貨物は全て、VATの対象になっている(2021年6月30日付ビジネス短信参照)。 - シンガポール
400シンガポール・ドル(約4万円)以下の航空貨物・郵便貨物には従来、物品・サービス税(Goods & Services Tax:GST)を免除していた。しかし2023年1月1日から、免税を撤廃した(2023年2月13日付ビジネス短信参照)。 - タイ
2024年7月5日から、CIF価格が1,500バーツ(約6,600円)以下の少額輸入貨物も、VATと物品税の課税対象にした(2024年7月9日付ビジネス短信参照)。免税によって外国事業者が国内事業者より価格競争上有利になったことに鑑み、国内産業・事業者保護の観点から導入した。 - ブラジル
2024年8月1日から、越境ECプラットフォーム経由で輸入されるCIF価格が50ドル未満の商品に対する輸入税の免税措置を撤廃。代えて、関税率を20%に設定した(2024年8月6日付ビジネス短信参照)。国内産業・事業者保護の観点から導入した点では、タイと同様。 - 米国
従来、申告額が800ドル以下の輸入貨物は、非課税で簡易に輸入することができた(デミニミスルール)。しかしバイデン政権は2024年9月13日、このルールを見直す措置を発表。繊維・アパレル製品について、当該ルールに基づく免税対象から除外することを議会に求める措置などを盛り込んだ(2024年9月17日付ビジネス短信参照)。
米国での動きは、それだけにとどまらない。シーインとテムには、強制労働生産品を米国に輸出している疑いまで指摘されている。その場合、両社はウイグル強制労働防止法(UFLPA、注14)違反の可能性が濃厚になる。目下、米国連邦議会下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」の調査を受けているところだ(2023年6月26日付ビジネス短信参照)。なおバイデン政権によるデミニミスルールに関する措置(前述)にも、UFLPAのエンティティー・リストの拡大などを通じて取り締まりを強化することが盛り込まれていた。
さらにシーインやテムには、他アパレルブランドが擁する知的財産権を侵害しているという指摘もある(注15)。
これまでは躍進してきた両社だ。しかし、逆風も吹き始めた。今後の動きに、注目が集まる。
- 注1:
-
eMarketerが規定する「EC小売」には、インターネットを利用して注文された商品やサービスを含む(決済手段やフルフィルメントの手法などを問わない)。ただし、旅行やイベントのチケット、請求書払いや税金、送金などの支払い、レストランや飲食店サービス、ギャンブルなどを除く。
本文で言及した世界市場規模データは、調査会社や政府機関のデータ、過去のトレンド、主要オンライン小売業者の報告、マクロ経済状況などに基づき、同社が推定した。 - 注2:
- Avalara「The state of global cross-border e-commerce 2023-24」(2023年4月)に基づく。
- 注3:
- 当該調査の対象者は、世界41カ国の18歳以上、3万2,510人(過去3カ月以内にオンラインショッピングし、かつ過去1年間に越境ECで買い物をした者)。
- 注4:
-
シーインは、中国で設立された。ただし、現在はシンガポールに本社を置く。
テムには、「ティームー」という表記も見られる。この記事では、同社の日本語ウェブサイトやSNS上で「テム」としていることに準拠した。 - 注5:
-
eMarketer「Retail Trends to Watch in 2024」(2023年12月14日付)に基づく。
「Z世代」は、1990年代半ばから2010年代初頭生まれの層を指すことが多い。デジタルネイティブ世代とも呼ばれ、スマホやSNSに慣れ親しんでいる傾向が強い。 - 注6:
- Roadget Business(シーインの持株会社)のプレス発表(2022年11月17日付)。
- 注7:
-
アフィリエイトは成果報酬型の広告のこと。広告主(企業)と提携したアフィリエイターがブログやSNSなどで商品を紹介し、その広告を経由して商品やサービスが購入されたりページがクリックされたり場合、報酬がアフィリエイターに入る。
インフルエンサーマーケティングは、主にSNSで影響力を持つ人々(インフルエンサー)に、商品やサービスを自身のSNSなどで宣伝してもらう手法。 - 注8:
- AppMagicはモバイルマーケティングの分析会社(本社:米国)。
- 注9:
- シーインのダウンロード数、テムのダウンロード数シェアともに、Statista(AppMagicのデータから引用)に基づく。テムのダウンロード数シェアは、累積ダウンロード数の構成比を表す(2024年9月9日時点)。
- 注10:
- ロイター「アングル:米関税制度の『抜け穴』、安い中国製品の流入続く」(2023年8月13日付)。
- 注11:
- ジェトロの貿易・投資相談Q&Aでは、各国ごとに「小口貨物の通関制度」を参照することができる。
- 注12:
- 小口貨物は「一定額未満の小口貨物」(HS9804.00)が対象。中国税関が2024年2月1日に発表した「ビジネス相談質問(中国語)」への回答によると、HSコード9804には「国境地域における特殊な貿易形態による商品、C級特急貨物(5,000元以下の貨物)、越境ECの直接購入で輸出される貨物など」を含む。
- 注13:
-
IMF「世界経済見通し(WEO)」(2024年4月)では、次の各類(HS2桁)の商品群に戦略品目を多く含むと分析した。
第28類(無機化学品)、第29類(有機化学品)、第30類(医療用品)、第38類(化学工業生産品)、第84類(一般機械)、第85類(電気機器)、第87類(輸送機器)、第88類(航空機・部品)、第90類(光学機器)、第93類(武器類)。 - 注14:
- UFLPAでは、中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品について、輸入を原則禁止することを規定している。
- 注15:
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例えばユニクロは、同社の模造品を販売したとして、シーインを提訴している(ユニクロプレス発表:2024年1月16日付)。
また欧州委員会は、シーインとテムをデジタルサービス法(DSA)の規制対象に加え、知的財産権侵害への対応を求めている。
- 執筆者紹介
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ジェトロ調査部国際経済課
宮島 菫(みやじま すみれ) - 2022年、ジェトロ入構。調査部調査企画課を経て、2023年6月から現職。