照明器具の輸入手続き:日本

質問

照明器具の輸入手続きについて教えてください。

回答

I. 関税分類番号(HSコード)

照明器具(HS9405)
関連法令が多岐にわたります。ここでは主な法令のみ説明します。

II. 輸入時の規制

電気用品安全法
光源に電球を用いた製品は同法の規制対象です。
同法に該当する品目の輸入を行う事業者は、事業開始の日から30日以内に「電気用品製造(輸入)事業届出書」によって所定の事項を経済産業大臣(経済産業局)に届け出る義務があります。届出をした事業者(届出事業者)が輸入する電気用品は経済産業省の定める技術基準に適合している必要があります。

  1. 特定電気用品以外の電気用品
    光源及び光源応用機械器具であって、定格電圧が100Vから300V及び定格周波数が50Hzまたは60Hz(であって交流の電路に使用するものに限る)のもの(装置・装備に該当するものは除く)は、「特定電気用品以外の電気用品」と定められており、電気スタンド(No.290)、家庭用つり下げ型蛍光灯器具(No.291)、ハンドランプ(No.292)など多くの照明器具が該当します。
    2012年7月1日から電気用品安全法の政省令の一部が改正され、電球形状のLEDランプ(定格消費電力が1ワット以上のものであって一の口金を有するもの)およびLED電灯器具(定格消費電力が1ワット以上のものに限り防爆型は除く)は特定電気用品以外の電気用品として指定され電気用品安全法の規制対象となりました。(ただし、蛍光ランプ形状のLEDランプおよびLEDモジュールは除きます。) 届出事業者は事業者の責任で技術基準に適合し、国が定めた検査方式により自主検査を行い、検査等を実施した電気用品に国が定めた表示(PSEマーク、事業者名、定格電流等)を貼付しなければ販売できません。製品流通後も届出事業者は立入検査の受検等の義務を負います。
  2. アンティーク照明器具等の例外承認制度
    アンティークに属する照明器具については、電源コードやソケットなどを新しいものに交換するなどの加工を行い電気用品として販売する場合は、電気用品安全法第8条第1項(技術基準適合)を免除する例外承認制度を申請できます。ただし、下記要件を満たしている必要があります。
    1. 電気スタンド・その他の白熱電灯器具・電灯付家具・コンセント付家具のいずれかに該当すること
    2. 1968年11月施行の旧電気用品取締法の規制以前に生産され、主に装飾・観賞を目的とした古美術品であること
    3. 貴重性・希少価値が高いもの(通常、一品もの)
    4. 経済産業省から承認を受けた事業者であることを顧客からわかるようにしておくこと。(経済産業省からの承認書(店舗が複数ある場合はコピーでも可)を店頭に掲げるなど。)
    5. 製品を販売する際には、PSEマークや電気用品取締法に基づく表示(以下「旧法表示」という。)が付されていない電気用品であり、取扱注意が必要な旨を顧客が確実に理解できるように説明等を行った上でその旨記載された取扱説明書を添付して販売すること。
    6. 以下の資料を3年間保存すること。
      • 製品の写真(カラー)
      • 1968年11月の電気用品取締法施行以前に生産され、その貴重性・希少性から古美術品として取引されるものである証拠・証明書類等
      • 電気用品安全法第8条第2項に規定する検査と同様の検査を実施した検査記録
      • 製品の販売実績(上記eの確認の有無を含む。)

III. 販売時の規制

  1. 家庭用品品質表示法/景品表示法(公正競争規約)
    「卓上スタンド用けい光灯器具」は「家庭用品品質表示法」に基づく「電気機械器具品質表示規程」に表示義務事項(用途および照度、蛍光ランプの形式、全光束、消費電力、エネルギー消費効率、使用上の注意、表示者名)が定められています。
    また、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」に基づく業界自主基準として全国家庭電気製品公正取引協議会の定める「家庭電気製品業における景品類の提供に関する公正競争規約」「家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約」「家庭電気製品小売業における表示に関する公正競争規約」、その他にも家電製品協会による「家電製品の安全確保のための表示に関するガイドライン」などがあり、製造・輸入業者は、事業者名および住所、品名、仕様、取扱上の注意、修理事項、保証期間等の表示を行うことが取り決められています。
  2. エネルギー使用の合理化等に関する法律(省エネ法)
    「蛍光灯器具」は同法上の特定機器に該当するため、省エネ性能向上やエネルギー消費効率に関する表示などの義務付けがあるほか、トップランナー制度の対象として、一定数量以上の輸入業者は、現在商品化されている製品のうち最も優れている機器の性能以上の目標基準が定められています。
    なお、2019年4月15日からLED電灯器具がトップランナー制度の対象に追加されました。
  3. 工業標準化法(JIS規格)/業界基準
    照明器具(JISC8105シリーズ)ほか電球や蛍光ランプにはJIS規格、さらに日本照明工業会規格(JIL)もあります。
  4. 消費生活用製品安全法(重大事故情報報告・公表制度)

    消費生活用製品の輸入事業者は、当該製品について重大製品事故が生じたことを知ったときは10日以内に、当該製品の名称・型式、事故の内容ならびに当該消費生活用製品を輸入した数量及び販売した数量を内閣総理大臣に報告しなければなりません(消安法第35条第1項及び第2項、施行規則第3条)。企業規模あるいは企業形態を問わず、国内にあるすべての消費生活用製品の輸入事業者は事故報告が義務付けられています。製造物責任法(PL法)への対応も別途必要です。

    その他、一定量の輸入事業者には環境関連(化学物質・有害物質規制、使用済み製品の処理義務、資源リサイクルほか)など、製品によっては他法令の規制を受ける場合もあります。

参考資料・情報

経済産業省:
電気用品安全法(製品安全課)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
電気用品安全法の改正省令施行について(商務流通グループ製品安全課)PDFファイル(1.6MB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
直管型LEDランプを専用に使用する灯具に対する技術基準要求についてPDFファイル(93KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
アンティーク照明器具等の例外承認制度について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
消費者庁:
家庭用品品質表示法(表示対策課)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
省エネ法(資源エネルギー庁 省エネルギー対策課)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
消費生活用製品安全法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2013年11月
最終更新:2019年9月

記事番号: M-010882

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