世界最大級の医療機器見本市「MEDICA 2023」ジャパンパビリオン出品企業21社を採択 ―日本の高い技術力で、患者のQOL向上と先端医療に貢献する製品を世界へ―

2023年08月24日

ジェトロは、11月にドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大級の医療機器見本市「MEDICA 2023」にジャパンパビリオンを設置し、21社が出品いたします。
高い技術力により製造される日本企業の製品は、精密さが求められる医療業界においては世界的に高い評価を得ています。中でも、患者のQOLに貢献する高品質な製品や、需要が高まるデジタルヘルスおよび先端医療分野への応用が見込まれる製品が今年度のジャパンパビリオンには複数出品されます。
ジェトロでは、医療機器分野における日本企業が有する高い技術や新たな技術・アイデアを世界中に知ってもらう機会を積極的に設け、今後も各国の見本市への出展支援を行い、海外へ挑戦する企業のビジネス展開の推進に貢献してまいります。

今年度のジャパンパビリオンにも、高度な技術で患者のQOL向上に貢献する製品を持つ企業が出品します。治療や検査においても人生の幸福度を上げ、自分らしく充実した生活を送るために日本企業の技術は世界的に注目されています。具体的な出品例は以下のとおりです。

日本生物製剤

同社製品は、日本国内での独自の技術を用い製品開発をしており、外径が細く・内径が広いという注射針の構造が特徴です。主に顔面の皮膚に穿刺・注入する機会が多く、美容医療分野を中心に用いられています。施術時の痛み・出血・腫れなどの軽減を非常に重要な課題と捉え、患者のQOLの尊重を開発の主要テーマとしています。

アットドウス

細くて長い針を用いても吸引や吐出が可能な高い背圧を生み出す電気浸透流ポンプを用いて、局所に微量に吸引・吐出が可能な電動シリンジを開発しています。眼科の硝子体手術において、網膜剥離の治療に際するシリコンオイルの投与などにおいて、同社製品を用いることで、患者に対して侵襲性が低く、施術中の縫い合わせが不要となり、術後管理や患者のQOL向上が図れます。

今年のMEDICAでも昨年同様、スタートアップパークや、ウェアラブルパークが設置されているように、ヘルスケア分野における新しい技術やデジタル化への高い関心が見込まれます。特にコロナ禍を経て「非接触・遠隔」というだけにとどまらず、IoTを活用した医療機器、ウェアラブル技術の活用など、医療現場の課題に応じた新しいソリューションの提案が求められ、新しいアイデアで生まれた製品や技術へのニーズが高まっており、具体例として以下3社のスタートアップ企業が今年のジャパンパビリオンに出品します。

ビヨンドエス

和紙やシルクを使った導電性繊維電極による非接触センシング製品の開発、販売を行います。金属を用いずに電気を流す繊維は、身の回りの生活必需品に適合させることで、さりげなく生体情報を取得することが可能であり、24時間365日の情報管理により、病気の予防に寄与します。

エーアイシルク

ベース繊維の素材感を損なわず、装着時の不快感や皮膚・生体内での炎症を受けずに、生体情報を測定することが可能な繊維と、その応用によるウェアラブルセンサー、タッチセンサー等を製作します。シルク、ポリエステル、綿、不織布、スエード等の様々なベース繊維素材に対して、染色技法を用いて導電性高分子をコーティング可能です。ポリエステルをベース繊維とした製品は、トレーニングウェアの素材などに活用されます。

ジャパンメディカルデバイス

治療方針の決定支援、治療後の効果予測を可能とする心臓シミュレータを開発します。CTや超音波画像を含む臨床データをインプットデータとして、分子レベルの電気的・力学的挙動を計算することで、個人の心臓の動きを忠実に細かい部分まで再現することが可能です。

毎年ドイツで行われている世界最大級の医療機器見本市であり、MEDICAでは医療機器の完成品を対象分野としています。また、同時に開催されるCOMPAMEDでは医療機器関連部品等を対象分野としています。

昨年のMEDICA 2022では5,000社以上（日本からは81社）が出展し、150か国から8.1万人を超える関係者の来場がありました。日本企業は126社（MEDICA81社・COMPAMED45社）が出展しております（2022年のジャパンパビリオンは22社が参加）。