株式会社GlobalB

弊社代表の山本は、もともと理容室と美容室を運営する企業を経営しています。店舗がある程度の数に達した頃から、理美容室と並行して異業種にも取り組みたい、と考えていました。そこで、IT事業を始めるべく、店舗へのポイントシステムの導入などを行う企業に勤務していた私とともに、2017年に設立した会社がGlobalBです。まず、訪日客の受け入れに取り組むホテルや旅館向けに「ウェブサイトの多言語化」サービスを提供したところ、受注が増えていきました。続いて、2019年には事業のもう一つの柱として「業務用システムの開発」サービスを始めました。しかし、既に何らかのシステムを持っている企業に売り込むことは想定していたほど容易ではありませんでした。また、事業を広げるには、多くの業務を受注できる体制作りも必要でした。そこで、新たな販路、そして製造委託先として、海外に目を向けました。

2019年6月、タイのバンコクで進出日系企業と交流する機会がありました。事業を進める上での悩みや課題を伺うと、弊社の業務用システムで解決できることもある、と思いました。同年7月には、取引先銀行や社員の知人から情報を集めて、ベトナムを視察しました。急速な経済成長を肌で感じるとともに、日本語力と意欲のあるベトナム人に出会い、海外展開の可能性を実感しました。そして、偶然ある訪問先で、ジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」の専門家に出会いました。その専門家より支援内容を紹介いただき、帰国後すぐに申し込んだところ、8月に採択されました。9月には専門家とベトナムを再訪し、専門家が選定した数社の企業と面談しました。そのうち2社へのトライアルを経て、11月に1社との間で製造委託の契約を締結しました。製造委託契約の締結により、受注量増に対応する体制が整ったため、新規の販路開拓に取り掛かりました。6月にバンコクで出会った日系企業に、課題を解決できるシステムだと提案したところ、2社との間で成約に至りました。

ジェトロの専門家に出会ってから、海外展開のスピードが増しました。専門家からは、製造委託先に求める事項の整理、弊社の規模感や業務内容と合っている企業のリストアップ、候補企業との交渉の進め方のコツなど、多くの適切なアドバイスや情報をいただきました。そのおかげで、ベトナム視察から半年もたたずに製造委託先が見つかったのです。当初は、委託先に日本人がいた方がいいと考えていましたが、日本語ができるベトナム人がいれば問題ない、ということも、専門家の助言をもとに実際に候補企業とやりとりをしてわかりました。
中小企業には海外展開に対する懸念や不安も多いものですが、あれこれ考えて心配ばかりしても仕方ありません。まずは動くことが大事です。弊社も、海外展開を考えてからすぐに現地を訪問したからこそ、現地の可能性を感じ、専門家とも出会い、チャンスをつかめました。委託先は弊社と連日やりとりすることで、日本国内からの受注への対応量も増えるなど、弊社の要望に応えてくれています。今後は、タイだけでなく、他のアジアの国・地域にも販路を拡大できるよう、取り組んでいきます。