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大和合同製薬株式会社

海外に出ることで自分たちの価値を再認識。新たな気づきのきっかけとなった

奈良県の伝統産業である医薬品に加え、近年では健康食品などの製造・販売を行う。海外展開は20年以上も前から台湾向け輸出実績があり、近年はベトナムを皮切りに東南アジア向け輸出拡大に取り組み中

奈良県橿原市ウェブサイト

展開国・地域：: 1992年台湾
2015年米国、シンガポール、香港、フィリピン、UAE
2017年ベトナム
事業内容：: 医薬品、健康食品、清涼飲料水の製造販売

専務取締役増田善謙氏

長年の台湾とのビジネスが海外展開拡大の基礎

弊社が海外への輸出に取り組み始めたのはバブルが弾けた直後の1992年です。以来長年にわたり取引先の台湾企業とは友好関係を築いています。もともとは社長の知り合いからの紹介でスタートしたものですが、製品がうまく市場にマッチしたお陰だと考えています。日本の国内市場は人口減少に加え、ドリンク剤市場が減退傾向にあることなどから今後の成長が望めない状況のため、5年ほど前から海外展開拡大に向けて手当たり次第にセミナーや商談会等に参加しています。また各種市場の情報収集にも努めています。会社としての海外販路拡大の方針は明確でしたが、輸出拡大に当たって、国ごとに異なる輸入規制への対応や英文書類の作成などを全て自分一人でこなさなければならない苦労がありました。そんな中、ジェトロからの勧めもあり2017年1月に「新輸出大国コンソーシアム」に会員登録し、専門家による支援を受けることになりました。

ドリンク製品ラインアップの一部

ドリンク製造ライン

市場調査や販路開拓はジェトロを最大限活用

市場規模を考えると欧米を抜きに海外展開は考えられないものの、瓶入りドリンクの受容性を考えて東南アジアから開始することにしました。この地域は基本的に親日的で日本製品の人気も高く、多くの引き合いを受けていたことがその理由です。販路拡大に当たり最初にターゲットにしたのはベトナムでした。市場の状況やニーズの把握などをするためジェトロのブリーフィングサービスやマーケット調査サービスを活用しました。2017年夏のホーチミンでの商談会にはジェトロ専門家にも同行してもらいました。また、専門家のネットワークを利用して紹介を受けた現地中堅製薬会社とは貴重な出会いの機会となりました。この取引先候補との商談を重ねることでPBドリンクのサンプル受注につながりました。現在、本格受注に向けて最終ワーク中です。

UAEアブダビでの市場調査（コンビニ）の様子

フィリピンでのイベントにて自社製品をプレゼン

海外取引先開拓のため直接先方に会い信頼感を得る

2019年度は、ベトナム向けにPBドリンクを本格的に輸出することに加えて、新たにタイへの販路開拓を進めようと計画しています。タイはドラッグストアやコンビニチェーンなどの流通インフラが拡大していますので、弊社製品にとっても有望市場と考えています。海外に出ることのメリットは、販路の開拓もさることながら、海外向け商品を作ることによる社員のモチベーションの向上だと考えています。自分たちの製造したものが、海外のお客さまに愛用されていると思うと、自社製品に対する自信や誇りのようなものを感じます。海外の取引先との関係構築で重要なことは、現地に直接訪問し先方代表者と直接コミュニケーションを取り、顔を合わせることです。その回数を重ねることで、お互いの信頼感が生まれてきます。現地に赴き、自分でその土地の匂いを嗅いで、市場のニーズを自分の感覚で捉えることが肝要です。あとは先方からの問い合わせに対するスピーディーな対応力と即断即決する判断力でしょうか。

専門家からのポイント

大和合同製薬は、風邪薬、胃腸薬などの大衆薬のほか、小瓶入り精力剤、健康ドリンクの製造販売に特色を持つ大正年間創業の老舗製薬会社です。海外でも人気のコラーゲン飲料を看板に、同社の強みである小ロットから小回りの利くPB品受託対応力を前面に打ち出す商品紹介の仕方を指導しました。語学堪能な専務取締役の積極的な海外対応も相まって、シンガポール向けPB品製造・輸出の成功を皮切りに、台湾、香港、韓国、フィリピン、UAE、米国、マカオなどに販路を広げることができました。