「デジタルビジネス3年行動計画」発表、デジタル消費の活性化を促進

(中国)

北京発

2024年05月10日

中国商務部は4月28日、「デジタルビジネス3年行動計画(2024~2026年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同計画では、デジタルビジネスのエコシステム構築、ビジネスのデジタル化、ネットワーク化、スマート化のレベルアップを図るとしている。

計画では、2026年までの目標として、ネット通販の市場規模世界1位(注1)を維持するほか、一般貿易の伸び率が越境EC(電子商取引)のそれを上回ること、デジタル貿易の規模(注2)の持続的成長を実現させることなどを挙げている。

計画では、(1)デジタルビジネスの基盤強化、(2)デジタル消費の拡大、(3)デジタル貿易の振興、(4)デジタル産業チェーン・サプライチェーンの強化などによる現代化産業体系の整備、(5)デジタルエコノミーの国際協力深化といった5つの面から20項目の取り組みを盛り込んだ。

(2)のデジタル消費の拡大では、次の5つに取り組む。

  1. 新商品の体験、文化・娯楽・観光、スポーツ大会、ヘルスケアなどについて、リアルとデジタルを融合させた新たな消費シーンを作り、一連のデジタル消費ブランドを育成する。
  2. ビジネスサービス業のデジタル化を奨励し、商品市場のデジタル化・スマート化を指導し、生活サービスのデジタル化・スマート化のレベルアップを加速させる。
  3. 農村部でライブコマースを展開し、農産品の産業チェーンのデジタル化を推進し、農村の物流体系の整備もさらに進め、農村の消費潜在力を引き起こす。
  4. 国内市場と国外市場のマッチングを促進する。
  5. スマート倉庫・物流設備の無人化を推進し、ECプラットフォームと宅配業者の連携とデータ共有を指導するなど、具体的な措置が打ち出された。

(3)のデジタル貿易の振興では、貿易分野のデジタル化のレベルアップ、越境ECを通じた輸出の促進、デジタルサービス貿易のコンテンツの充実、デジタル貿易の推進に取り組む。

(4)のデジタル産業チェーン・サプライチェーンの強化などによる現代化産業体系の整備では、デジタル産業での外資系企業の参入を拡大させるほか、越境サービス貿易ネガティブリスト制度の実施や(2024年4月2日記事参照)、条件を満たす外資系企業のデータ越境移転の利便性向上、デジタル分野の対外投資の拡大などを提唱した。

(注1)商務部電子商取引司によると、中国のネット通販市場規模は11年間連続で世界1位となった。

(注2)商務部が発表した「中国デジタル貿易発展報告(2022年)」によると、中国の2022年のデジタル化が可能なサービスの輸出入額は前年比3.4%増の3,727億700万ドルで、過去最高を更新した。

(張敏)

(中国)

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