米商務省、半導体産業向けインフラ整備支援でテキサス州コーペラスコーブ市に350万ドル助成

(米国)

ヒューストン発

2024年05月09日

米国商務省経済開発局(EDA)は4月30日、半導体産業向けインフラ整備のため、350万ドルの助成金をテキサス州コーペラスコーブ市に支給すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同助成金は半導体産業の発展を支援するために上下水道や道路を整備する目的で、同市が拠出する87万5,000ドルを補完する。これにより、同市は約1億3,000万ドルの民間投資を生むと予測する。

ジーナ・レモンド商務長官はプレスリリースで「EDAの投資は国内市場向けのマイクロプロセッサーやコンピュータチップの製造を支えるインフラを整え、地域経済や地元産業の民間投資を活性化させる」と述べた。テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は、同州が全米の半導体産業を牽引していることに言及し、「EDAの支援は州内半導体産業で現在進行中の成長を支える」と、謝辞を述べた。

米国半導体工業会(SIA)によると、テキサス州の半導体関連の拠点数(注)は58カ所と、カリフォルニア州の116カ所に次いで2位、製造拠点では21カ所と、カリフォルニア州の36カ所、アリゾナ州の27カ所に次ぐ3位だ。米国産業立地情報誌「ビジネス・ファシリティーズ」が2023年8月に発表したビジネス環境ランキングによると、テキサス州は総合部門のほか、半導体部門でも1位だった。

産業振興に向けた動きも活発だ。韓国のサムスン電子がテキサス州オースティン周辺で計画中の合計400億ドル以上の半導体関連投資に対し、米国のバイデン政権はCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて、最大64億ドルの連邦助成金を支給すると発表した(2024年4月16日記事参照)。

テキサス州では独自の半導体産業支援政策として、2023年6月にテキサスCHIPS法を制定した。6億9,830万ドルのテキサス州半導体イノベーション基金(TSIF)を設け、州内の高等教育機関による研究開発や、州内企業による半導体製造などを支援する。そのほか、テキサス大学オースティン校の先端パッケージ施設建設に対し4億4,400万ドル、テキサスA&M大学の量子、人工知能(AI)向け施設建設と関連研究活動に対し2億2,600万ドルを拠出する。

(注)既存施設のほか、新規・拡張案件を含む。

(キリアン知佳)

(米国)

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