鴻海科技集団、ドイツZFとの合弁会社設立手続き完了

(台湾、ドイツ)

調査部中国北アジア課

2024年05月07日

電子機器受託製造(EMS)世界最大手の鴻海科技集団(以下、鴻海)は5月1日、2023年7月に発表していた、ドイツ自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンとの合弁会社立ち上げ手続きが正式に完了したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。鴻海は、ZFの子会社ZFシャシーモジュールの株式を50%取得し、企業名はZF Foxconn Chassis Modulesとする。ZFは、32カ国に168カ所の生産拠点を有する自動車部品のグローバル企業で、世界全体の従業員数は16万5,000人。ZFシャシーモジュールは、世界25カ所に生産拠点を有しており、2023年の売上高は約47億ドル、企業価値は11億ドルだった。

今回の株式取得は、鴻海とZFが2023年7月24日に締結したMOU外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(覚書)に基づくものだ。鴻海は、ZFのシャシーは既に自動車市場において優良な顧客と市場シェアを有しており、双方の強みを生かして、自動車市場のビジネスチャンスを拡大していく、としている。

鴻海はEV分野に積極的に参入しており、2020年には台湾の自動車大手の裕隆集団と合弁で設立した鴻華先進において2023年から電気自動車(EV)の量産を開始しているほか、2021年にはEVのオープンアライアンスであるMIHコンソーシアムを立ち上げてコンセプトカーを発表している。「経済日報」(2024年5月1日)によると、「ZFは自動車部品世界3位のTier1サプライヤーで、3大顧客はベンツ、BMW、ステランティスだ。鴻海は老舗自動車メーカーと協力関係を築くことにより新製品導入の機会をうかがっている」と指摘した。

(江田真由美)

(台湾、ドイツ)

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