「中国知的財産権侵害・模倣品摘発活動年度報告書(2023)」を発表

(中国)

上海発

2024年05月09日

中国の国家質量強国建設協調推進指導グループ弁公室は4月27日、「中国知的財産権侵害・模倣品摘発活動年度報告書(2023)」を発表した。

報告のポイントは次のとおり。

(1)インターネット上の権利侵害などの摘発活動

  • 国家版権局、工業情報化部などはインターネット上の権利侵害・海賊版対策のための特別プロジェクトを共同実施。2023年に権利侵害品などに関連するリンク244万件、関連アプリ2,390個を削除した。
  • 市場監督管理総局は同年に実施した特別行動を通じ、インターネット上の違法・規則違反案件2万7,000件に対処。また、プラットフォーム企業に対し、法律・法規への厳格な適合を促し、854社に累計3,680項目の是正が行われた。

(2)その他の摘発活動

  • 市場監督管理総局はブランド品の模倣品や悪意の商標出願(注1)などを対象とした大規模な取り締まりを実施。対象案件とその金額はそれぞれ56万5,000件、28億1,000万元(約590億1,000万円、1元=約21円)に上った。うち、商標および専利(注2)に関する違法案件は4万4,100件、8億3,900万元だった。また、同局は不正競争案件1万2,496件に対して、5億8,000万元の罰金を科したほか、143種の製品に対して国家レベルの抜き取り検査を実施。2万6,472社が生産する2万8,265ロットを検査し、3,302社の3,476ロットの不合格製品を検出。うち172ロットは模倣品の疑いがあった。
  • 同局と国家質量強国建設協調推進指導グループ弁公室は、2023年模倣品全国統一廃棄活動を実施。防疫物資、食品・医薬品、アパレル製品、たばこ、酒類、化粧品、海賊版出版物など計200種類以上の模倣品を22省(区、市)で一斉に廃棄した。廃棄物は4,734トン、8億3,000万元相当に上った。

(3)貿易、輸送時の監督強化

  • 税関総署は同年、権利侵害の疑いのある貿易貨物累計6万2,000ロット(8,288万9,000件)を差し止めた。
  • 国家郵政局は郵送企業に対して、「実名制による集荷」「荷物受送時の点検」「機器による安全検査」の3項目の徹底を命じ、模倣品の郵送ルートへの侵入防止を図っている。地方各レベルの郵便管理部門は延べ3万4,000人に対して行政執法検査を行い、6,606件を行政処罰とした。

(注1)一般的に、他人の商標が当該国・地域で登録されていないという事実を利用して、不正な目的で当該商標を出願する行為を指す。

(注2)「専利」とは、日本の特許(発明)、実用新案、意匠に当たる。

(陳貝蓓)

(中国)

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