バイデン米政権、米州からの移民対策で新たな取り組み発表、ロサンゼルス宣言第3回閣僚会合で

(米国、グアテマラ)

ニューヨーク発

2024年05月14日

米国のバイデン政権は5月7日、「移民と保護に関するロサンゼルス宣言」の第3回閣僚会合がグアテマラで開催されたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。アントニー・ブリンケン米国務長官は、緊急の人道的ニーズへの対応や、合法な移住経路の拡大、移民の正規流入と定住化を支援するため、米国が5億7,800万ドルを拠出すると発表した。また、弱い立場の移民を狙った密入国組織に対する処罰の強化など、取り締まりでのパートナー国との協力拡大も発表した。

移民と保護に関するロサンゼルス宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は2022年6月10日、米州における移民問題に対応するために、第9回米州首脳会議で発表された。今回の閣僚会合には、同宣言に署名した21カ国(注)から外相らが参加した。

バイデン政権の発表によると、今回の会合では3分野で新しい取り組みが発表された。「人道的な取り締まりの強化」では、不正な移民を助長したとの理由で、コロンビアの複数の海運会社の幹部に対して、米国ビザの発給を制限したほか、国際航空運送協会(IATA)が非正規移民による商業便の利用を制限するための行動を約束した。また、国境管理の強化のため、米国とコスタリカは生体認証データを共有する。

「移民と保護のための合法的な経路の拡大」では、難民再定住プログラムを再構築し、米国とパートナー国へ合法的に移住できる経路を拡大する。これによりバイデン政権は、米州地域からの難民認定数を6倍に増加させる見通しとした。

「長期的な安定を促進するための根本的な原因への対処と移民統合への支援」では、米国国際開発金融公社(DFC)が、グアテマラ農村部の低所得者向けに住宅ローンを提供する貸付事業者に対して、2,000万ドルの直接融資を承認したことなどを挙げた。

(注)アルゼンチン、バルバドス、ベリーズ、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、パナマ、パラグアイ、ペルー、米国、ウルグアイ。

(吉田奈津絵)

(米国、グアテマラ)

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