45年ぶりに日本の外相がナイジェリアを公式訪問

(ナイジェリア、日本)

ラゴス発

2024年05月07日

上川陽子外相は4月29日~5月1日に、日本の外相としては45年ぶりにナイジェリアを公式訪問した(注1)。

上川外相は、今回のナイジェリア訪問の目的として、ナイジェリアと日本との経済面での関係強化、ナイジェリアをはじめとするギニア湾沿岸諸国の政治的・経済的な安定の後押し、アフリカのリーダーの1国であるナイジェリアとアフリカやグローバルな課題での連携強化を掲げた。

ナイジェリアのユスフ・トゥガー外相との会談では、トゥガー外相から、食料安全保障や感染症対策に関する日本からの支援(注2)に対する謝意が示されるとともに、日本の技術・資金などを活用した両国の経済連携のさらなる強化やナイジェリアへの日本企業のさらなる進出への期待が寄せられた。上川外相は、女性・平和・安全保障(Women、Peace and Security:WPS)の視点を踏まえ、ナイジェリア北東部での女性の生計支援やジェンダーによる暴力防止支援などの取り組みの実践など、WPS分野での連携の一層の強化に言及した。

両相は、ほかにも東アジア情勢、核軍縮、国連の機能強化などでの協力強化について確認したうえで、2024年8月のアフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合および2025年8月のTICAD9を見据えながら、2国間関係を一層強化していくことで一致した。

上川外相は、ナイジェリア在留邦人および日系企業関係者との懇談を行い、ナイジェリアでスタートアップ起業が盛んな背景、ビジネスの展望や課題などについて、意見交換が行われた。

(注1)4月26日~5月6日の日程で、マダガスカル、コートジボワール、ナイジェリアを訪問し、フランスでOECD閣僚理事会に出席、その後、スリランカ、ネパールを訪問。

(注2)上川外相の到着に先駆け、松永一義駐ナイジェリア日本大使とワレ・エデゥン財務相兼経済調整相は、ナイジェリアの食料安全保障の強化を目的とした日本による1億800万ドル相当の食糧安全保障緊急支援融資や、持続可能な農業生産の支援、ナイジェリア疾病予防管理センターの強化に関する交換公文に署名した。

(奥貴史)

(ナイジェリア、日本)

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