2023年の医療品輸入額は前年比11.8%減

(ケニア)

ナイロビ発

2024年05月09日

ケニアの首都ナイロビで4月17~19日、医療・ヘルスケア見本市「MEDEXPO AFRICA 2024」が開催された。主催者によると、30カ国から150社が出展し、来場者は5,500人以上だった。国別ではインド、トルコ、ロシア、イランなどからの出展が目立ったが、米国やドイツ、オランダなどからの参加もあった。医療消耗品や手術器、エコーなどの検査機器、ラボ用機器、眼科用機器、歯科用機器などが展示され、活発な商談が行われた。

2023年の貿易統計によると、ケニアの医療品関連の輸入は前年比11.8%減の10億6,731万ドルだった(添付資料表参照)。新型コロナウイルス禍で急増した医療品市場は新型コロナ渦前の水準に少しずつ戻りつつある。主な品目は、包装済み医薬品(2%減、5億9,460万ドル)、人血・免疫血清など(32.9%減、2億2,847万ドル)、医療用または獣医用機器(3.9%増、1億3,368万ドル)だった。輸入相手国は、インド(3億6,440万ドル)が最も多く、続いて中国(8,613万ドル)、スイス(6,250万ドル)の順で、インドは前年比10.4%増、中国は4.1%増とシェアを伸ばしたが、インドからの輸入額は中国の4倍以上で、インドの一人勝ち状態が続いている。日本は国別では11位だが、2023年は前年比40.5%減の126万ドルだった(添付資料図参照)。

米国のモデルナは2023年3月にワクチン製造工場のケニアでの設立に合意し、年間最大5億回分のワクチンを製造する計画を発表していたが、2022年以来、アフリカでのワクチン受注が一切なかったことから、4月11日に計画の一時中止を発表した。米国からの医療品の輸入額は2021年の7,667万ドルをピークに、2023年には1,828万ドルまで減少した。

写真 MEDEXPO AFRICAの会場(ジェトロ撮影)

MEDEXPO AFRICAの会場(ジェトロ撮影)

(佐藤丈治)

(ケニア)

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