モロッコ首相、グリーン水素投資計画を公表

(モロッコ)

ラバト発

2024年03月22日

アジズ・アハヌッシュ首相は3月11日、グリーン水素投資促進計画「モロッコ・オファー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」イニシアチブを明らかにした。

政府はグリーン水素を国の脱炭素エネルギー移行と安定的成長推進の主軸の1つとし、関連技術の普及が経済、社会、環境、技術的問題解決のターニングポイントとなると考えている。このイニシアチブにより、モロッコが当該分野で競争力を発揮するための産業バリューチェーンの構築、新規投資を推進する考えだ。

オファーは次の6つの柱で構成されている。

  1. モロッコオファーの適用範囲
  2. モロッコオファー実行に向けた土地活用
  3. グリーン水素セクター推進に向け必要なインフラ
  4. モロッコオファーにおける優遇措置
  5. 国による投資家の選定と国との契約プロセス
  6. グリーン水素セクターのガバナンス

プロジェクトの適用範囲は、再生可能エネルギーに加え、電気分解による発電、グリーン水素やアンモニア、メタノール、合成燃料および当該物流に至るまで幅広い分野としている。

政府はグリーン水素や同関連品の国内外向け生産に関心を持つ投資家や投資家グループを歓迎するとしており、既に国内外の約100の投資家が政府に対し関心を表明しているもようだ。

関連開発に向け政府は、100万ヘクタールの公用地を確保し、第1ステージとして、30万ヘクタールを用意、プロジェクトの規模に応じて1万~3万ヘクタールを各投資家に配分する予定だ。政府は、投資家との合意に基づき、個別計画の進捗などの個別の情報交換を行うとともに、透明性と秘密性を約束するとしている。

今回の発表に関連し、モフシン・ジャズリ投資・公共政策統合・評価担当特命相は3月13日付の経済紙「エコノミスト」で、MASEN(モロッコ持続可能エネルギー庁)とモロッコ投資貿易開発庁(AMDIE)が、外国投資家向け説明するロードショーを国外で実施する考えを明らかにしている。

(本田雅英)

(モロッコ)

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