国務院、外資誘致の行動計画発表、参入規制緩和や入札への平等な参加など24項目

(中国)

北京発

2024年03月29日

中国国務院弁公庁は3月19日、「ハイレベルの対外開放の着実な推進と外資の誘致・利用の促進に関する行動計画」(国弁発[2024]9号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

同計画で、外資系企業は中国の現代化推進に参与し、中国経済と世界経済共通の繁栄と発展を促進する重要な力と表明した。また、中国政府は外資の誘致と利用のさらなる推進に向け、市場志向で法に基づいて運用される国際的なビジネス環境を構築し、外資企業の中国での発展への信頼を確固たるものにする必要があると強調した。

具体的には、(1)外資系企業の市場参入を認める分野を拡大し、投資の自由度を向上させる、(2)政策支援を強化し、外資系企業にとっての対中投資の魅力を高める、(3)公平な競争環境を整備し、外資系企業への行政サービスを改善する、(4)人材、データなどイノベーション創出に必要な要素の流動を円滑化し、国内企業と外資系企業の協力を促進する、(5)中国国内の規制を改善し、国際的な貿易規則と合致させることなど、5方面にわたる計24項目の措置を打ち出した。

(1)では、製造業の参入制限を撤廃し、電信、医療分野への参入を拡大すること(2024年3月6日記事参照)、科学技術イノベーションなど新しい分野の外資参入規制を緩和するプロジェクトを北京市、上海市、広東省などの自由貿易試験区で試験的に実施すること、外資系金融機関の銀行・保険分野への参入を拡大すること、外資系金融機関が参入可能な国内債券市場の範囲を拡大することなどを挙げている。

(2)では、外商投資奨励産業目録の奨励範囲のさらなる拡大、外資系企業への金融・税制支援の強化、エネルギー安全保障の強化、中西部地域や東北地域への産業移転を強化するための受け入れ能力の向上などを挙げた。

(3)では、外資系企業と国内企業が法律に基づき、公平に入札に参加できるよう改善すること、外資企業が国内企業同様、標準化技術委員会や標準策定作業に平等に参加できるようにすること(注)、外資系企業にとって魅力的な「投資中国(中国への投資)」ブランドを構築すること、外資系企業に対する行政サービスを強化することなどを盛り込んだ。

(4)では、外資系企業の管理職、技術者、その配偶者、未成年の子のビザの有効期限を2年に延長すること、北京市、上海市、広州市などの幹線空港の国際線旅客便数の増加などにより、国際的なビジネス人材の往来を促進するといった内容を盛り込んでいる。

(5)では、知的財産権の保護、データ越境規則の構築、ハイレベルの経済貿易取り決めの交渉と実施などを挙げている。

商務部外国投資管理司の朱氷司長は3月21日の国務院の定例政策ブリーフィング会議で、「この計画は中国政府が発表した新しい文書で、各地域や各部門に対し、外資の誘致と利用にさらに力を入れるよう求めている。「外資24条」と呼ばれる「外商投資環境のさらなる最適化と外商投資誘致の強化に関する意見」(国発〔2023〕11号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2023年8月15日記事参照)、外資誘致と利用の関連取り組みを強化するものだ」と説明した。

(注)中国日本商会が2023年6月に発表した「中国経済と日本企業2023年白書」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、政府調達や標準策定などについて、中国企業と外資系企業の平等な扱いを求めている。

(趙薇)

(中国)

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