州知事選は与野党1勝1敗、アブルッツォ州は与党・中道右派が快勝

(イタリア)

ミラノ発

2024年03月19日

イタリアでは、2024年に複数の州で知事選挙の実施が予定されている。中部アブルッツォ州で3月10日、州知事選挙が行われ、与党の中道右派が擁立したマルコ・マルジリオ氏が2期目の当選を果たした。同州ではイタリアの同胞(FDI)、フォルツァ・イタリア(FI)、同盟(Lega)が推薦するマルジリオ氏、野党の民主党(PD)、五つ星運動(M5S)、アツィオーネなどが擁立したルチアーノ・ダマーティ氏が立候補し、一騎打ちとなった。得票率はマルジリオ氏が53.5%、ダマーティ氏が46.5%。投票率は前回2019年の53.1%から下落し、同州で過去最低の52.2%だった。

同州に先立って2月25日に行われたサルデーニャ州知事選では、PDとM5Sが支持するアレッサンドラ・トッデ氏が当選し、これまで常に支持率で優位に立っていた中道右派に大きな衝撃を与えた。予定されているほかの州知事選や、6月に控える欧州議会選挙、また国政を占う上で、今回のアブルッツォ州知事選挙が注目を集めていた。

ジョルジャ・メローニ首相は3月11日、X(旧ツイッター)に「アブルッツォ州で州知事が2期目を務めるのはマルジリオ氏が初めて。州民がマルジリオ氏と中道右派に向けた信頼を誇らしく思うとともに、われわれはそれを裏切らないだろう」と投稿し、支持者に深い感謝を示した。

サルデーニャ州知事選での中道右派敗退後の対応も功を奏した。直後の2月28日、中道右派は今後行われるバジリカータ州、ピエモンテ州、ウンブリア州の知事選(注)で擁立する候補者を連名で発表。FDI、Lega、FI、われわれ穏健派、中道連合(UDC)が一枚岩であることをアピールし、票の分散を防ぐ対策を打った。

アブルッツォ州知事選についても、メローニ首相を筆頭に、Lega党首のマッテオ・サルビーニ・インフラ・交通相、FI党首のアントニオ・タヤーニ外務・国際協力相がともに州都ペスカーラへ応援演説に駆けつけ、支持を呼びかけた。

アブルッツォ州知事選直前の3月7日に、イタリアの政治・経済・社会動向を分析するメディアYouTrendが実施した政党支持率調査によると、2週間前と比べてFDIが0.5ポイント下落して27.6%、PDは0.5ポイント上昇の20.1%だった。中道右派としての支持率は43.2%で、中道左派を上回っているものの、マリオ・ドラギ前政権崩壊直後に比べると、支持率は若干下落していた。中道右派の支持率低下を懸念する報道もあったが、下馬評を覆した勝利となった。

(注)各種報道によると、3月11日時点で、バジリカータ州は4月21~22日、ピエモンテ州は6月8~9日、ウンブリア州は10月に知事選が予定されている。

(平川容子)

(イタリア)

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