モロッコ国営リン鉱石公社、総額1.88億ドルのグリーン投資ローンで合意

(モロッコ)

ラバト発

2024年02月27日

リン肥料生産の世界的大手のモロッコ国営リン鉱石公社(OCP)グループは2月19日、アフリカ開発銀行(AfDB)などと総額1億8,800万ドルのローン契約を締結した。ローンは3つの融資機関との間で行われ、資金は同社のグリーン投資計画に投入される。

内訳は、まず(1)AfDBの1億5,000万ドルと(2)カナダ・アフリカ開発銀行気候基金(CACF)の1,800万ドルが3つの海水淡水化施設の建設に使われる。OCPは年間1億1,000万立方メートルの水の供給を期待している。さらに、同社主要工場の1つである大西洋岸のジョルフ・ラスファール(Jorf Lasfar)近隣の海辺の街サフィ(Safi)とアル・ジャジーダ(El Jadida)エリアに飲料水7,500万立方メートルを供給することで、150万人以上が恩恵を得られるとした。

続いて(3)世界銀行系のクリーン・テクノロジー・ファンド(CTF)の2,000万ドルの資金は、再生可能エネルギーの備蓄システム構築に活用される。備蓄された電力は、同社の海水淡水化施設の動力や同グループの生産活動に利用される。

OCPは、今回の契約は同グループのグリーン投資プログラムの一環で、政府が進める水不足対策にも資する取り組みであること、さらに、飲料水の提供や若者、女性、農村地域での雇用創出を通じて最も弱い立場におかれている人々を支援することが目的と意義を述べている。

OCP幹部は、同社は2023年から2027年までに130億ドルのグリーン投資プログラムを推進しており、今回の投資はそれに沿ったものとする。同社は2024年までに使用する水の100%非天然水化を目指しており、2027年までに再生可能エネルギーの100%活用、2032年までにグリーンアンモニアの自給自足化、そして2040年までに完全なカーボンニュートラルを実現する、と同社のグリーン投資推進にむけた強い意思をあらためて示した。

(本田雅英)

(モロッコ)

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