パレスチナ自治政府のシュタイエ首相が辞表を提出、アッバース議長は受理

(パレスチナ、米国、イスラエル)

テルアビブ発

2024年02月27日

パレスチナ自治政府(PA)のムハンマド・シュタイエ首相は2月26日、マフムード・アッバース議長に辞表を提出した。

パレスチナ通信社「WAFA」(2月26日)によると、シュタイエ首相はヨルダン川西岸のラマッラーで開かれた閣議の冒頭で、「この決断は、ガザ地区におけるパレスチナ人に対する侵略と、エルサレム市を含むヨルダン川西岸地区における前例のない事態激化に関連した政治的、安全保障的、経済的展開を考慮してのものだ」と説明した。その上で、「次の段階とその課題には、ガザ地区の新たな現実や、パレスチナ全土に対するパレスチナ自治政府の主権の拡張に基づくパレスチナ諸派間のコンセンサスの緊急の必要性を考慮した、新たな政府と政治的取り決めが必要と考えている」と述べ、この理由から、アッバース議長に辞表を提出したと述べた。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は2月23日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「戦闘終結後のガザがどのようなものであれ、パレスチナ人民が活性化したパレスチナ自治政府を通じて、そのあり方について発言し、投票権を持つべきだと考えている」と答えていた。

パレスチナ・ニュース・ネットワーク(PNN)(2月26日)によると、アッバース議長はシュタイフ首相の辞表を受理した上で、新政権が樹立するまで暫定政権としての役割を果たすよう要請したという。

一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2月22日、ハマスとの戦闘終結した後のパレスチナ自治区ガザでの計画を戦争内閣に提示した。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(2月23日)によると、イスラエルはガザ地区全域における作戦行動の自由を維持するとし、ガザ地区では、あらゆる軍事能力を完全に非武装化し、ガザ地区における公共秩序の責任は行政経験のある地元公務員を基礎とするとしている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(パレスチナ、米国、イスラエル)

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