能登半島地震の影響、福井県企業の海外ビジネスでは限定的

(福井)

福井発

2024年02月08日

ジェトロは2月7日、「令和6年能登半島地震」による福井県企業の海外ビジネスへの影響に関するアンケート調査結果(添付資料参照)を発表した。地震によるビジネスへの影響について、回答企業の約3分の1が「あり」とした。具体的なコメントとして、生産面の支障発生から「原材料入手の遅延・困難化」、取引先の被災や観光客減少により「販売減」、「需要・引き合い減」に直面している声が多かった。一方、海外ビジネスについては約4分の3が「影響なし」とし、現時点での影響は限定的とみられる。

本アンケート調査は、1月1日に発生した同地震発生を受けて1月19~31日に実施。過去にジェトロ事業に参加した福井県内企業・団体(個人事業主を含む)439社・団体に対して調査票を送付し、118社・団体より回答を得た(有効回答率26.9%)。

地震・津波による被害状況について、回答企業の90%が「被害なし」と回答。被害のあった企業(全体の8%)のうち、60%は「建屋内の資産の損傷」、40%が「建屋・付帯設備・敷地の損害」「生産設備・機械の損害」だった。外壁や内壁などの破損、ヒビ割れなどの損壊のほか、石川県や富山県に所在する工場(取引先を含む)で損害や障害が発生している。

また、地震によるビジネスへの直接的・間接的な影響について「あり」と回答した企業の割合は34%に上った。その具体的な内容は「原材料入手の遅延・困難化」(43%)、「販売減」(40%)、「物流の乱れによるリードタイム長期化」(30%)、「需要・引き合い減」(28%)、「予約・受注キャンセルの発生」(20%)だった。そのうち、「原材料入手の遅延・困難化」を挙げる企業の多くが生産面に支障が生じているとコメントするほか、「販売減」「需要・引き合い減」「予約・受注キャンセルの発生」では、取引先の被災や観光客減少を挙げる企業が大多数だった。

ビジネスの影響を受けた企業のうち、32%の企業が対応策について「あり」と回答し、その内容として「代替取引先の確保」(69%)と「取引先との交渉」(54%)が過半数となった。

海外ビジネスへの影響については「なし」と回答した企業は76%だった。「あり」と回答した企業(4%)は「輸出の減少」「代替調達先の確保」「輸入の増加」を挙げ、「納期の遅れ・変更」「注文キャンセル」「生産容量の縮小」などのコメントが付け加えられた。

ジェトロへの支援要望については「あり」と回答した企業(9%)のうち、約9割が「海外販路開拓支援」を挙げ、「商談会の開催」を望む声が多かった。

(齋藤寛)

(福井)

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