グジャラート州の金融サービスセンター、グリーン水素取引メカニズム構築で提携

(インド)

アーメダバード発

2024年01月24日

インド西部グジャラート(GJ)州にある国際金融特区、GIFTシティーの国際金融サービスセンターは1月12日、国際的な水素取引メカニズムの構築に向け、インド・ガス取引所(IGX)、グジャラート州石油公社(GSPC)との間で、戦略的パートナーシップの覚書を締結した。覚書は同州で1月10~12日に開催された投資誘致イベント「バイブラント・グジャラート・グローバル・サミット(VGGS)」の「グリーン水素セッション」で締結されたもので、GIFTシティーを国際的なグリーン水素取引所に位置付けることを目的の1つとしている。

この提携に基づき、GIFTシティーで国際規模のグリーン水素取引市場の拡大を促進することが狙いで、グリーン水素に関する情報提供と価格創出のベンチマークとして開発する国際水素価格指数をGIFTシティーでの水素取引メカニズムに導入することにより、取引の透明性が担保され、投資家の信頼が高まることを目指す。

GIFTシティーはナレンドラ・モディ首相の構想により、インド初の国際金融特区として設置されたスマートシティー。銀行、保険、航空機や船舶のリース、証券・商品取引市場、資産管理、フィンテックなどの関連分野が参入している。今回の提携により、GIFTシティーの機能に新たに国際水素取引での主導的役割が加わることが期待される。

覚書が締結されたVGGSの「グリーン水素セッション」で、ブペンドラ・パテルGJ州首相は、モディ首相が提唱する「クリーンで持続可能なエネルギーによるグリーン成長」ビジョンに貢献するため、「GJ州はインドのグリーン水素製造ハブになる用意がある」と宣言し、インドでますますの成長が見込まれるグリーン水素製造のために、州内の用地を割り当てることや、今後5年間でグリーン成長分野に2兆ルピー(約3兆6,000億円、1ルピー=約1.8円)の予算を計上するなどと述べていた(2024年1月16日記事参照)。

(古川毅彦)

(インド)

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