イスラエル日本商工会議所、事業継続性について専門家パネルを開催

(イスラエル、日本)

テルアビブ発

2024年01月25日

イスラエル日本商工会議所(IJCC)は1月15日、ハマスとの武力衝突が続く中での事業継続について、イスラエル企業に助言を行う専門家パネルをオンラインで開催した。パネルには、日本企業のイスラエル拠点代表3人と、イスラエル企業の日本拠点幹部1人が登壇した。

今は日本市場への参入に適した時期かという質問に対し、パネリストの1人は「現在、イスラエルは困難な状況にあるため、最適な時期ではないが、待つ必要はない」と答えた。ただし、「平時においても日本企業へのアプローチは難しいが、現在の状況はより困難にしている」と指摘し、まず、日本市場とイスラエル市場を理解している日本人の知り合いや友人のネットワークを活用することや、IJCCのような公的機関を活用することを勧めた。

別のパネリストは、日本企業にイスラエルの技術を活用してもらう方法について、日本市場でどのような需要があるかを見極めることが重要だと述べた。多くのビジネスでデジタルトランスフォーメーション(DX)がトレンドになっているが、製造業においてはスマートファクトリーによるマシニング・トランスフォーメーション(MX)がトレンドになると指摘した。

また、複数のパネリストが、日本のビジネスパートナーに、イスラエルでの事業運営状況や現在の情勢を理解してもらう必要性について言及した。対面での会議などを通じて日本側に現状を説明することで、誤った認識を払拭(ふっしょく)する必要があると指摘した。

パネリストの1人は、イスラエルと日本のビジネスパートナー間のコミュニケーションを通じて相互信頼を培うことの重要性を強調した。日本企業の多くが言語や文化の違いを外国企業と連携する際の障壁と感じている中、現在の状況はイスラエル企業との連携を難しくしていると指摘した。イスラエル企業がこれらの状況を打開する方法としては、日本にローカルチームを設置することが最良だが、次善策として、日本の販売代理店の活用も有効と述べた。

また、パネリストの1人は、日系ベンチャーキャピタル(VC)によるイスラエル企業への投資について影響は出ておらず、バリュエーション(企業価値評価)が下がっているので「むしろ投資しやすくなっている」と指摘した。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(アンナ・ジュコブ、中溝丘)

(イスラエル、日本)

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