イスラエル最高裁、司法改革法は「無効」と判断

(イスラエル)

テルアビブ発

2024年01月04日

イスラエル最高裁判所は1月1日、最高裁はイスラエルの憲法に相当する基本法に対して司法審査を行う権限を有し、国会に相当するクネセトが権限を越えた例外的かつ極端な事案に対して介入する権限を有すると判断外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。15人の判事のうち12人が賛成した。最高裁はさらに、2023年7月に可決した司法改革法の妥当性について採決を行い、8対7の賛成多数で司法改革法は「無効」と判断した。最高裁は「これは、民主主義国家としてのイスラエル国家の中核的特徴に対する深刻かつ前例のない損害をもたらす」と説明した。

クネセトは2023年7月24日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が推進する司法改革の一環として、政治家の議決の妥当性を最高裁判所が審議することを阻止する法案を可決させた(2023年7月26日記事参照)。司法改革に反対する市民らの抗議活動は2023年1月から10月7日のハマスによるイスラエル襲撃まで、毎週土曜日に行われていた。

今回の最高裁判断を受けて、ネタニヤフ首相率いるリクード党は「右派と左派のイスラエル軍兵士が地上戦で命をかけて戦っているときに、最高裁がイスラエルの社会的論争の核心に関する判断を示すことを選択したことは残念だ。最高裁の判断は、特に戦時中の団結を求める民意に反するものだ」との声明を発表した(「オール・イスラエル・ニュース」1月2日)。

一方、野党「イェシュ・アティド」党首のヤイル・ラピッド前首相はX(旧ツイッター)への投稿で「最高裁はイスラエル国民を保護するという役割を忠実に果たした。私は最高裁を全面的に支持する」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘、ガブリエル・ホドス)

(イスラエル)

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