パレスチナ世論調査、64%が戦闘終結後にハマスがガザ地区を統治と回答

(パレスチナ、イスラエル)

テルアビブ発

2023年12月20日

パレスチナ政策調査研究センター(PCPSR、注)は12月13日、ハマスによるイスラエル攻撃や軍事衝突の関係主体への評価などに関する世論調査結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。調査はPCPSRが11月22日~12月2日に実施し、ヨルダン川西岸地区の750人とガザ地区の481人の計1,231人が回答した。

ハマスによる10月7日のイスラエル攻撃について、その判断は「正しかった」と答えた割合は72%(ヨルダン川西岸地区82%、ガザ地区57%)で、「誤りだった」は22%(西岸12%、ガザ32%)だった。

軍事衝突でガザ地区の住民が苦しんでいることの責任はどこにあるかついては、「イスラエル」との回答が52%、「米国」は26%、「ハマス」は11%(西岸6%、ガザ19%)だった。

「イスラエルは戦争犯罪をした」と答えたのは95%(西岸94%、ガザ97%)だったのに対し、「ハマスは戦争犯罪をした」は10%(西岸5%、ガザ17%)にとどまった。

軍事衝突に関し、関係する主体が果たした役割への満足度については、「ハマス」が72%(西岸85%、ガザ52%)で最も高く、ガザ地区のハマス指導者「ヤヒヤ・シンワル氏」が69%(西岸81%、ガザ52%)、ハマス最高指導者の「イスマイル・ハニヤ氏」が51%(西岸57%、ガザ43%)で続いた。

軍事衝突に関し、周辺国の関係主体が果たした役割への満足度については、「イエメン」が80%(西岸89%、ガザ68%)で最も高く、「カタール」56%(西岸55%、ガザ57%)、「ヒズボラ」49%(西岸39%、ガザ63%)で続いた。一方、「サウジアラビア」は5%(西岸2%、ガザ11%)、「アラブ首長国連邦(UAE)」は8%(西岸3%、ガザ16%)にとどまった。

どの政党や政治運動を支持するかを尋ねたところ、「ハマス」が43%(西岸44%、ガザ42%)で最も多く、「ファタハ」は17%(西岸16%、ガザ18%)だった。3カ月前の調査と比べると、ハマスの支持率は21ポイント増加したが、ファタハの支持率は9ポイント減少した。

「戦闘終結後に誰がガザ地区を統治するか」との質問では、「ハマス」が64%(西岸73%、ガザ51%)で、「アッバース議長のいないパレスチナ統一政府」が11%だった。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(注)パレスチナの国内および国際環境についての理解を深めることを目的として政策分析と学術研究を行う独立非営利機関のシンクタンク。パレスチナ法務省に非営利機関として登録されている。

(中溝丘)

(パレスチナ、イスラエル)

ビジネス短信 baff3f18d086783e