ドバイで世界グリーン経済サミット開催

(アラブ首長国連邦、世界)

調査部中東アフリカ課

2023年12月01日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで11月28~29日、第9回世界グリーン経済サミット(WGES)が開催された。

今回のWGESではドバイ電気水道局(DEWA)、世界グリーン経済機関(WGEO)、ドバイ・エネルギー最高評議会の主催で、「未来への橋渡し:世界的なグリーン経済の推進」をテーマとして、UAE閣僚による基調講演や有識者らによるパネルディスカッションなどが行われた。テーマの柱には(1)グリーン政策、(2)グリーンファイナンス、(3)グリーンテクノロジーとイノベーション、(4)グリーンエネルギー、(5)グリーンパートナーシップの5つを設定し、11月30日開幕の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)でUAEの優先分野の「適応」「緩和」「ファイナンス」「損失と損害((Loss & Damage)」に焦点を当てるとした(2023年12月1日記事参照)。

初日の28日にはUAEのスハイル・ビン・ムハンマド・アル・マズルーイー・エネルギー・インフラ相、アブダッラー・ビン・トゥーク・アル・マッリー経済相、マリアム・ビント・ムハンマド・アルムハイリ気候変動・環境相が基調講演を行った。マズルーイー・エネルギー・インフラ相は、エネルギーは強固なグリーン経済を構築する主要な要素であり、2023年7月に改定した「UAEエネルギー戦略2050」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと、11月14日に公式発表した「国家水素戦略2050」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)2023年11月27日記事参照)を推進力として、2050年までのネットゼロを達成すると述べた。産業部門では、全てのセクターで目標設定を行っているとして、アブダビ国営石油会社(ADNOC)が7月に発表した2030年までのメタンガス排出ゼロと、UAEの国家目標から5年前倒しした2045年までのネットゼロへのコミットメントなどの事例を紹介した。インフラ分野では、低炭素建築資材の開発と、循環経済に焦点を当てた持続可能な建設手法の導入に注力していると述べた。

アルムハイリ気候変動・環境相は11月16日に発表したUAEのネットゼロ2050戦略外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに触れ、ネットゼロへの道のりはUAEのGDP成長に3%貢献し、20万人以上の雇用を創出すると述べた。

写真 基調講演を行うマズルーイー・エネルギー・インフラ相(ジェトロ撮影)

基調講演を行うマズルーイー・エネルギー・インフラ相(ジェトロ撮影)

写真 基調講演を行うアルムハイリ気候変動・環境相(ジェトロ撮影)

基調講演を行うアルムハイリ気候変動・環境相(ジェトロ撮影)

(久保田夏帆)

(アラブ首長国連邦、世界)

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