農水省発表の「日本食普及の親善大使」にベトナム人が初の任命

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年12月28日

農林水産省は12月13日、ベトナムで日本製品の輸入や外食事業などを手掛ける地場企業ロータス・フード・グループ社長のレ・バン・メイ氏を「日本食普及の親善大使」に任命した。ベトナムでは2023年11月時点で日本料理関係者2人が任命されているが、ベトナム人が任命されたのは今回が初めてとなる。

日本食普及の親善大使は、日本食・食文化などのさらなる魅力発信を通じて日本の農林水産物・食品の輸出拡大につなげていくことを目的として、農林水産省が日本料理関係者などを任命するものだ。プロの視点に立った海外の日本料理関係者への助言などを通じた国内外への日本食・食文化などの普及、自らの活動や各種メディアでの情報発信などに取り組むこととされている。

ロータス・フード・グループは現在、丸亀製麺やちよだ鮨など複数の日本ブランドをはじめ、直営やフランチャイズ、合弁事業でホーチミン市を中心に外食事業8ブランド(28店舗)を展開している。2023年9月には、ハノイ市にCoCo壱番屋を初出店した。メイ氏は、ベトナムでの日本食市場が若者を中心とした旺盛な消費を背景に拡大していくと指摘した上で、「2030年までには200店を目標に拡大する方針で、ホーチミン市以外の出店も加速していく」と話した。

今回の任命に当たり、メイ氏は「日本の事業者や自治体と連携しながら、ベトナムでまだ知られていない日本各地の特産品の魅力を、日本の文化とともに発信していきたい」と意気込みを語った。同社は2023年7月に自社日本食レストランで、日本の酒蔵と連携した日本酒ペアリングの魅力を発信するなど、日本食・食文化の普及に取り組んでいる(2023年7月4日記事参照)。

写真 ハノイ市での「CoCo壱番屋」開業式典の様子。左から3人目がレ・バン・メイ氏 (ロータス・フード・グループ提供)

ハノイ市での「CoCo壱番屋」開業式典の様子。レ・バン・メイ氏(左から3人目) (ロータス・フード・グループ提供)

写真 「CoCo壱番屋」ハノイ1号店の外観と行列を作る客の様子(ロータス・フード・グループ提供)

「CoCo壱番屋」ハノイ1号店の外観と行列を作る客の様子(ロータス・フード・グループ提供)

(児玉良平)

(ベトナム)

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