広島県がタミル・ナドゥ州との経済交流に関する覚書を再締結

(インド、広島)

チェンナイ発

2023年12月06日

広島県は11月30日、インドのタミル・ナドゥ(TN)州政府と、経済交流に関する覚書を更新し再締結した。両者は、2010年11月に貿易および投資促進に関する覚書を締結していたが、先進7カ国首脳会議(2023年5月、G7広島サミット)や、新型コロナ禍後のデジタル化の進展など、大きく変化する世界のビジネスの動きを受け、覚書を更新し、より一層関係を強化する考えだ。

これまでの覚書では、広島県の企業によるインドへの進出に重点が置かれていたが、今回は、インド企業の広島進出支援を加えるなど、広島県とTN州が双方向で経済交流を目指すこととした点が特徴となっている。

署名式は、州都チェンナイ市内のホテルで開催され、広島県商工労働局とTN州工業省ガイダンス(投資誘致機関)の代表者が署名した。署名には、広島県の玉井優子副知事、TN州のT・R・B・ラジャア工業相、広島県議会の中本隆志県議会議長をはじめとした広島県議会インド訪問団の6人、夛賀政幸(たが・まさゆき)駐チェンナイ日本総領事らが立ち会った。

署名式であいさつした広島県の玉井副知事は、県とTN州の関係をさらに向上させたいと述べるとともに、広島県と同州の共通点として、製造業が強いこと、教育およびイノベーションに力を入れていることを指摘した。そのうえで、広島県の成長には多様性やチャレンジ精神が必要と、本交流の効果と期待について言及した。ラジャア州工業相は、TN州は、国内での経済成長が最も顕著な州で、製造業が発展しているほか、最近は知的産業やイノベーションの拠点としても成長していると紹介した。さらに、同州は日本との文化的な共通点も少なくないと語り、今回の覚書をきっかけに自動車産業のみならず、エレクトロニクス産業、IT・イノベーションの連携など多方面での交流の活性化に期待を寄せた。また、2024年1月7日から2日間開催されるタミル・ナドゥ州の投資誘致イベン「グローバル・インベスターズ・ミート(Global Investors Meet、GIM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」への参加も要請した。

中本県議会議長は、覚書の更新に至った経緯を紹介。今後の経済交流を強化したいとあいさつし、議会として広島県とTN州の交流を支援する意向を示した。

写真 署名式に出席したラジャア州工業相、玉井副知事、中本議長(左から3、4、5人目)など関係者(ガイダンス提供)

署名式に出席したラジャア州工業相、玉井副知事、中本議長(左から3、4、5人目)など関係者(ガイダンス提供)

(白石薫)

(インド、広島)

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