タイ副首相兼天然資源・環境相、2065年ネットゼロ目指す公約を再確認

(タイ)

バンコク発

2023年12月21日

タイのパッチャラワート・ウォンスワン副首相兼天然資源・環境相は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、気候変動に対して行動をとるよう、世界各国に全面的な協力を呼びかけた。

タイ国家ニュース局によると、パッチャラワート氏は、2050年までにカーボンニュートラル、2065年までに温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロを目指すというタイの公約を再確認した。同氏はまた、タイの気候変動適応の枠組みである現在の国家適応計画(NAP:2018年)を更新し、水資源管理、農業、公衆衛生など重要分野の気候変動の影響に対処していくことを強調した。さらに、タイは2025年をピークにGHG排出量を削減し、電源構成での再生可能エネルギーの割合を2040年までに68%、2050年までに74%に引き上げることを目指している。

カーボンニュートラルとネットゼロを達成するため、タイ政府はGHG排出量を規制する気候変動法の草案を策定している。また、GHG排出量を削減しつつ食料安全保障を維持することを目的として、低炭素な農業を促す「気候変動に配慮した稲作プロジェクト」(Climate-smart rice farming project)を推進している。

パッチャラワート氏は演説で、タイは今回の会議で発展途上国の気候変動目標を達成する上で重要な要因となる「損失と損害」(ロス&ダメージ)基金の運用への合意発表をうれしく思い、パリ協定で示された産業革命前の気温から1.5度上昇という目標達成に向けた各国の協力に期待すると述べた。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊) 

(タイ)

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