イスラエル国防軍がシファ病院で作戦を実施、WHOは非難

イスラエル国防軍（IDF）は11月15日、パレスチナ自治区ガザ地区最大のシファ病院内の特定の場所で、ハマスに対する「精密で的を絞った作戦」を実施していると発表した。

同発表によると、IDFは11月14日、ガザ地区の関係当局に対し病院内での全ての軍事活動を12時間以内に停止するよう要請したが、実現しなかったという。作戦中は民間人の犠牲を避けるよう努め、部隊にはアラビア語を話す兵士や医療チームも含まれているという。IDFは、病院からの大規模の避難を促進し、病院当局と定期的に対話を行ってきたと強調した。さらに、15日のIDFのX（旧ツイッター）への投稿によると、IDFが提供した保育器、ベビーフード、医療品はシファ病院に到着しており、アラビア語を話す兵士が必要な人々に確実に届くよう立ち会っているとした。

一方、国連や国連人道問題調整事務所（OCHA）は、病院が戦場となることへの懸念を強めており、病院内の患者と市民の保護を呼びかけている。世界保健機関（WHO）のテドロス・アダノム事務局長は11月15日の記者会見で、「イスラエルのシファ病院への軍事侵攻は全く容認できない。病院は戦場ではない」と非難した。

米国家安全保障会議（NSC）のジョン・カービー戦略広報調整官は11月14日の記者会見で、ハマスやイスラム聖戦が、シファ病院を含むガザのいくつかの病院とその地下にあるトンネルを、軍事作戦の隠匿や支援、人質拘束のために利用しているという情報があることを確認したと述べた。その上で、「われわれは病院を空から攻撃することを支持しないし、病院と患者は守られなければならない」とした。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

（中溝丘）