2024年国家予算案、歳出の半分を国防費が占める

(ウクライナ)

ワルシャワ発

2023年11月14日

ウクライナ最高会議(議会、一院制)は11月9日、2024年の国家予算案を第2読会で承認した。歳入は1兆7,680億フリブニャ(約7兆4,256億円、1フリブニャ=約4.2円)、歳出は3兆3,550億フリブニャ。防衛・安全保障関連費が歳出の50.4%を占め、同国のGDP比率では22.1%に達する見込み。

セルヒー・マルチェンコ財務相は最高会議での演説で「国家予算の優先順位は明らかで、防衛力の強化、国民の保護、退役軍人の支援、社会水準の向上、経済の回復にある」と述べている。

同予算案では、防衛産業複合体の発展のための財政支援増加を見込んでおり、特に兵器の生産に510億フリブニャ、水上ドローンと無人航空機の生産に433億フリブニャを盛り込んでいる。その他、社会保障に4,694億フリブニャ、医療に2,034億フリブニャ、教育に1,791億フリブニャを充てている。

財政赤字は1兆5,715億フリブニャと想定。安全保障と防衛の分野と関わりのない分野の支出を確保するために、国外からの財政支援が約410億ドル必要だとしている。

最高会議はこの予算案に先立ち、10月19日に2024年国家予算案を第1読会で承認していた。また、閣僚会議(内閣)は11月2日に第2読会向けの国家予算案を承認していた。

なお、この予算案を2022年11月3日に最高会議で承認された2023年国家予算案(歳入1兆3,300億フリブニャ、歳出2兆6,400億フリブニャ)と比較すると、歳入が3,380億フリブニャ増加、歳出も7,150億フリブニャ増加している。

(柴田哲男、坂口良平)

(ウクライナ)

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