戦闘休止3日間でハマスはイスラエル人40人と外国人18人を解放

イスラエルとハマスのパレスチナ自治区ガザでの戦闘一時停止は、カタール外務省の発表（2023年11月24日記事参照）のとおり、現地時間の11月24日午前7時（日本時間24日午後2時）に開始され、人質の引き渡しも同日から始まった。

イスラエル政府によると、ハマスは24日にイスラエル人13人と外国人11人を解放し、イスラエルはパレスチナ人39人を釈放した。イスラエル首相府は解放されたイスラエル人の氏名と年齢を公表し、イスラエル監獄局は釈放したパレスチナ人の氏名を公表した。

解放された外国人11人はタイ人が10人、フィリピン人が1人だった。イスラエル外務省によると、エリ・コーエン外相は解放された外国人を訪問し、「（イスラエルは）イスラエル人、外国人を問わず、人質全員の解放に向けて全力を尽くしている。解放された全ての外国籍市民が最高の医療とメンタルケアを受けられることを約束し、それら外国人が（イスラエルの）国民保険の権利を享受できるようにする」と述べた。

戦闘停止2日目の25日は人質の解放は遅れていたが、カタール外務省のマジェド・ビン・ムハンマド・アル・アンサーリー報道官は、同日夜にイスラエル人13人の人質解放とともに、パレスチナ人女性と子ども計39人がイスラエルの刑務所から解放されると発表した。

アンサーリー報道官はメディアの取材に対し、「（イスラエル、ハマス）双方の解放の実行が遅れていたが、カタールとエジプト、米国による双方とのやり取りを通じて障害が克服され、今夜解放される」と述べた。

イスラエル政府によると、ハマスはイスラエル人13人とタイ人4人の計17人を解放し、イスラエルはパレスチナ人39人を釈放した。24日と同様に、イスラエル首相府は解放されたイスラエル人の氏名と年齢、イスラエル監獄局は釈放したパレスチナ人の氏名を公表した。

戦闘停止3日目の26日は、ハマスはイスラエル人14人とタイ人3人の計17人を解放し、イスラエルはパレスチナ人39人を釈放した。各種報道によると、イスラエル人14人の中には米国との二重国籍者とロシアとの二重国籍者が1人ずつ含まれているとしている。

米国のジョー・バイデン大統領は26日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行った。ホワイトハウスによると、バイデン大統領は、過去3日間にハマスが米国人少女を含む人質を解放したことを歓迎し、両首脳は戦闘の一時停止と、ガザに必要な追加人道支援の増加についても話し合ったとしている。両首脳はまた、仕事はまだ終わっておらず、全ての人質の解放を確保するために引き続き努力することで合意したという。

ネタニヤフ首相はX（旧ツイッター）への投稿で「バイデン大統領に対し、われわれは全力で人質全員の解放、ハマスの壊滅、ガザが元に戻らないようにするという目標の実現に向かうと伝えた」としている。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

（中溝丘）