EU、2022年のグリーンエネルギー関連製品輸入額、前年比2倍以上

(EU)

ブリュッセル発

2023年11月20日

EU統計局(ユーロスタット)は11月9日、2022年のEUのEU域外国からのグリーンエネルギー関連製品(風力タービン、太陽光パネル、液体バイオ燃料)輸入額は284億ユーロとなり、前年(133億ユーロ)の2倍以上だったと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。特に太陽光パネル輸入は前年比2.5倍の226億ユーロと大きく拡大した。液体バイオ燃料は前年比49%増の51億ユーロ、風力タービンは前年比17%増の8億ユーロだった。

ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシアにエネルギー供給を依存するEUの脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。ユーロスタットは、グリーンエネルギー関連製品はエネルギー輸入依存度を軽減できる点で重要だと強調する。

一方、これらの製品の輸入相手を国別に見ると、中国の割合が大きい。太陽光パネルとその関連部材は中国からの輸入が全体の96%を占め、2017年の16%以降、増加している。風力タービンの中国からの輸入は全体の61%で、2019年の87%をピークに減少傾向にあるが、なお大きな割合を占めている。

他方、2022年のEUからのグリーンエネルギー関連製品の輸出額は37億ユーロで、前年比27%減と大幅に減少した。風力タービンが13億ユーロと前年比59%減の大幅減になったのが響いた。太陽光パネル(8億ユーロ、前年比44%増)と液体バイオ燃料(16億ユーロ、23%増)はともに増加した。

10年前と比べると、2012年には3製品の中で最も輸出額が小さかった液体バイオ燃料が太陽光パネルの伸び(6億ユーロから25%増)を上回り、5億ユーロから約3.4倍に拡大した。風力タービンは2021年まで3製品の中で輸出額トップだったが、2022年は液体バイオ燃料に次ぐ2位に後退した。

(大中登紀子)

(EU)

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