イスラエルとハマス、戦闘休止の2日間延長で合意、カタール外務省発表

(イスラエル、パレスチナ、カタール、エジプト、米国)

テルアビブ発

2023年11月28日

カタール外務省のマジェド・ビン・ムハンマド・アル・アンサーリー報道官は11月27日、イスラエルとハマスがパレスチナ自治区ガザ地区での人道的な戦闘休止について、これまでと同じ条件で2日間延長することで合意に達したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この合意はカタール、エジプト、米国の共同仲介の枠内で成立したとしている。

画像 戦闘休止の2日間延長に関するカタール外務省のX(旧ツイッター)でのコメント画面

戦闘休止の2日間延長に関するカタール外務省のX(旧ツイッター)でのコメント画面

アンサーリー報道官によると、戦闘休止4日目の11月27日、ハマスはイスラエル人の人質11人を解放し、イスラエルはパレスチナ人33人を釈放したとしている。イスラエル監獄局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは釈放したパレスチナ人の氏名を公表した。戦闘休止の4日間で、ハマスはイスラエル人と外国人を合わせて69人を解放し、イスラエルはパレスチナ人150人を釈放した。

イスラエル首相府が11月22日に公表した人質解放と戦闘一時停止の合意の閣議決定に関する文書によると、ハマスとの人質解放に関する合意は2段階かつ複数回に分けて実施するとしている(2023年11月24日記事参照)。第1段階では、4日間にかけてハマスが50人の人質をイスラエルの治安部隊に引き渡すことを前提に、イスラエルはパレスチナ人150人を刑務所から釈放するとしていた。第2段階では、ハマスがさらに50人を解放することを条件に、イスラエルはパレスチナ人150人を追加で釈放するとしている。こちらの回数は決められていないが、ハマスが1日に10人以上解放するごとに24時間の戦闘休止になるとしている。

米国のジョー・バイデン大統領は11月27日、戦闘休止の2日間延長を受けて声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バイデン大統領は、人道的な戦闘休止により、ガザ地区全域で苦しんでいる罪のない一般市民への追加人道支援も大幅に増加したとし、「われわれは戦闘休止を最大限に活用し、ガザへの人道支援物資の量を増やし、パレスチナの人々のために平和と尊厳の未来を築く努力を続けていく」と述べた。また、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領の合意に向けた尽力に感謝した上で、「われわれは、ハマスのテロリストが拘束している全ての人質が解放されるまで、止まるつもりはない」と締めくくった。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、カタール、エジプト、米国)

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