第3四半期の実質GDP成長率は前年同期比5.5%

(ロシア)

調査部欧州課

2023年11月27日

ロシア連邦国家統計局は11月15日、ロシアの2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を5.5%(前年同期比、速報値)と発表した。経済発展省は第3四半期の実質GDP成長率推計値を5.2%としていたが、それを0.3ポイント上回る結果となった(2023年11月9日記事参照)。鉱工業生産、農業、建設業、小売りは堅調に推移した。輸送は2022年第2四半期以降からマイナス成長が続いていたが、今回プラスに転じた。

産業別統計をみると、小売商品売上高が前年同期比11.3%増となった(添付資料表参照)。2023年7~9月各月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比で4.3%、5.2%、6.0%となった。2023年第3四半期の実質可処分所得は前年同期比5.1%増だった。

金融市場向けのサービスを手掛けるフィンミルのアナリスト、パベル・ソコル氏はロシア経済の成長の要因として、(ウクライナ)侵攻以降、欧米からアジア市場へ輸出先のシフトが成功したことによる貿易の回復、政府支出の増加、消費者需要の拡大を指摘した(イズベスチヤ11月16日)。

2023年通年の実質GDP成長率の予測について、経済発展省は3.0%(11月時点)、中央銀行は2.2~2.7%(11月時点)とし、IMFは2.2%(10月時点)と想定している。

マクシム・レシェトニコフ経済発展相は2023年の経済について、国民の実質所得の増加、産業の成長、投資の増加を伴い、成長すると説明した(タス通信11月10日)。

(小野塚信)

(ロシア)

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