トルコ政府、イスラエルとハマスの武力衝突収束に向け貢献を表明

(トルコ、イスラエル、パレスチナ)

イスタンブール発

2023年10月11日

パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが10月7日にイスラエルに対して大規模攻撃を実行し、イスラエル政府が戦争状態を宣言したことに関して(2023年10月10日記事参照)、トルコ外務省は同日、双方に自制を求める声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、民間人に死傷者が出ていることを非難するとともに、双方の当事者に自制して行動するよう求めた。また、こうした動きがさらにエスカレートしてより広い地域に広がる前に制御できるよう、最大限の貢献をする用意があるとした。

トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は8日の会見で「パレスチナとイスラエルが公正に問題を解決しない限り、この戦いは続く。「二国家解決」が重要で、エルサレムを首都とする1967年の(第三次中東戦争以前の)国境に基づく独立したパレスチナ国家が設立されない限り、この地域に平和は訪れない」と述べた(10月9日付「エコノミム」)。

同大統領はパレスチナのマフムード・アッバース議長、イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領、レバノンのナジーブ・ミーカーティ首相、カタールのタミーム・ビン・ハマド首長らとそれぞれ電話会談を行い、トルコは地域の紛争をできるだけ早く終わらせ、平穏を確保するためにあらゆる努力を行っていると述べたと報じられている(10月9日付「ブルームバーグHT」)。

トルコとイスラエルは関係改善が急速に進んでいるが(2023年9月22日記事参照)、トルコのイスラム保守派はもともとムスリム同胞団系のハマスに同情的で、今回の衝突では、イスタンブールで反イスラエルのデモが行われるなどの動きも見られた。

(中島敏博)

(トルコ、イスラエル、パレスチナ)

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