8月のGDP成長率は前年同月比5.2%、製造業の堅調が続く

(ロシア)

調査部欧州課

2023年10月05日

ロシア経済発展省は9月27日、2023年8月の実質GDP成長率(推計値)を前年同月比5.2%(前月伸び率より0.1ポイント増)となった(添付資料表参照)。前月に続き、建設業が堅調だったことや、小売り、製造業が好調に推移したことで成長が持続した。

8月の鉱工業生産は前年同月比5.4%増だった。鉱業の伸び率は前月から0.3ポイント増のマイナス1.2%となった。このうち、石炭採掘が1.4%増(前月より3.0ポイント減)、金属資源採掘が3.2%減(前月より1.3ポイント減)、その他の資源採掘が0.8%減(前月より8.7ポイント減)、鉱業分野のサービスが4.4%増(前月より1.3ポイント増)だった。

製造業の伸び率は前年同月比10.3%増(前月より0.8ポイント増)となった。機械製造業が自動車、コンピュータ・電子機器の回復を背景に34.0%増(前月より11.5ポイント減)と好調に推移したことが製造業全体の伸びに寄与した。

連邦国家統計局によると、8月の乗用車生産台数は前年同月比2倍の4万9,600台だった。1~8月では前年同期比9.6%減の29万5,000台となった。自動車調査会社アフトスタト(9月5日)によると、8月の乗用車新車販売台数は前年同月比2.6倍の10万9,731台だった。1~8月では前年同期比41.0%増の60万6,952台となった。

建設業は前年同月比8.9%増(前月より2.4ポイント増)とプラスで推移している。農業は、7月に続き前年の収穫が多かったため、前年同月比では6.8%減(前月より3.6ポイント減)となったが、前々年同月比7.6%増だった。貨物輸送は前年同月比0.4%増(前月から0.8ポイント増)だった。

労働市場は安定しており、8月の失業率は3.0%となった。7月の実質賃金は前年同月比9.2%増だった。

小売商品売上高は前年同月比11.0%増(前月より0.2ポイント増)となった。

ロシアの公式GDP統計は、四半期別と年別について連邦国家統計局が、推計値として月次の成長率は経済発展省がそれぞれ発表している。

(小野塚信)

(ロシア)

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