2021年のEUの1人当たり包装廃棄物排出量、過去10年で最大

(EU)

ブリュッセル発

2023年10月26日

EU統計局(ユーロスタット)は10月19日、2021年のEUの包装廃棄物排出量は1人当たり188.7キログラムだったと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。前年比10.8キログラム増、10年前の2011年比では約32キログラム増で、過去10年間で最も多かったことが明らかになった。

オンラインショッピングの小包やテイクアウトのコーヒーカップなど、包装廃棄物は多岐にわたる。2021年のEU全体の排出量は8,400万トンに達し、素材別では、紙と段ボール40.3%、プラスチック19.0%、ガラス18.5%、木材17.1%、金属4.9%だった。

特にプラスチックの包装廃棄物の排出量は1人当たり35.9キログラムで、前年比1.4 キログラム(4.1%)増加した。このうち14.2キログラムはリサイクルされ、リサイクル量も前年比1.2キログラム(9.2%)増加した。2011年比ではプラスチック包装廃棄物の排出量は1人当たり7.6キログラム(26.9%)増、リサイクル量は3.9キログラム(37.9%)増となった。

2021年のEU全体のプラスチック包装廃棄物のリサイクル率は39.7%だった。2018年の改正により、加盟国のリサイクルに関する報告のルールが厳格化された包装・包装廃棄物指令の国内法制化期限が2020年7月だったことを受けて、2020年はリサイクル率が37.6%と2019年の41.1%から悪化していたが、回復傾向がみられた。

2021年のプラスチック包装廃棄物のリサイクル率を加盟国別でみると、ばらつきがみられた。データが入手可能な国の中で、スロベニア(50.0%)が最も高く、次いでベルギー(49.2%)、オランダ(48.9%)となった。リサイクル率が最も低い国はマルタ(20.5%)で、フランス(23.1%)、スウェーデン(23.8%)なども低調だった。

(大中登紀子)

(EU)

ビジネス短信 e8392513ac4df2d4