米医療機器大手のボストン・サイエンティフィック、中国初の製造拠点を設立

(中国、米国)

上海発

2023年10月19日

米国医療機器メーカー大手のボストン・サイエンティフィック上海は10月9日、中国初の製造拠点を設立すると発表した。製造拠点は、上海自由貿易試験区の臨港新エリアに設立する。プロジェクト調印式には、ボストン・サイエンティフィックの代表のほか、上海市党委員会常務委員、上海市臨港新区党委員会書記、上海臨港経済発展(集団)(臨港集団)の代表が参加した。調印式前には、陳吉寧上海市党委員会書記と米国ボストン・サイエンティフィックのマイケル・F・マホーニー会長兼最高経営責任者(CEO )が会見するなど、同プロジェクトに対する上海市政府からの期待も高い。

今回の発表では、投資金額や製造製品については公表されていないが、今後生産された製品は中国市場に重点的に供給するとした。また、ボストン・サイエンティフィックのグレーターチャイナ総括の張珺氏は「世界で最も魅力的な医療技術市場の1つである中国は、他にはない発展の余地と市場規模、イノベーションエコシステムを備えている。自社生産ラインを敷設し、現地生産を加速することは、上海に拠点を置き、ローカリゼーション戦略を完全に実行するための重要なステップだ」とのコメントも発表した。

ボストン・サイエンティフィックは、主に消化器系や泌尿器系、神経系といった分野の医療機器の開発、製造・販売を手掛けている。同社は1997年、上海に中国本部を設立し、北京、上海、広州、成都、香港、台湾にそれぞれ支社を設け、主に予防、診断、治療などの高品質な医療製品とサービスを提供してきた。

なお、ボストン・サイエンティフィックは、中国の医療機器市販承認取得者(MAH)制度(注)を活用し、血管内超音波検査装置の本土における生産、さらには中国からの輸出を実現しているとしている。

(注)医療機器市販承認取得者(MAH)制度とは、実施対象地域の企業・研究機関が、医療機器市販承認を申請・取得した場合、医療機器の品質・安全性に責任を持ちつつ、他の企業に委託生産することが可能となる制度。

(尹世花)

(中国、米国)

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