エジプトがイスラエルの退避勧告を非難、ガザ地区国境で外国人を受け入れ

(エジプト、イスラエル、パレスチナ)

カイロ発

2023年10月16日

エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は10月12日、パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルがガザ地区で衝突していることについて、ガザ地区のパレスチナ人は毅然として自分たちの土地にとどまるべきだと述べた。国家情報サービスによると、エルシーシ大統領は「もちろんエジプトはパレスチナに同情的だが、和平を達成するため合理的に対処している。エジプトは既に安全と平和を求める人々900万人を国外から受け入れているが、ガザについては、パレスチナの大義が失われてしまう危険性から問題は異なる」とした。

エジプト外務省は10月13日に声明を発表し、イスラエル軍がガザ北部のパレスチナ民間人に対し、24時間以内にガザ地区南部に避難するよう呼びかけていることは民間人を危険にさらす行為で、国際人道法の明確な違反だと非難し、イスラエル政府に自制を強く求めた。また、国連安全保障理事会に対しイスラエルの決定に対処するよう求めた。

国家情報サービスによると、サーメハ・シュクリー外相は10月15日、米CNNのインタビューで、エジプトとガザ地区の間に位置するラファ国境検問所について「国境検問所は開いているが、イスラエルによる爆撃により使用不能になった」と回答した。また、同外相は、ガザ地区内の外国人は書類が整っていれば、各国大使館と協力して検問所を通過できるよう円滑な措置を講じると述べた。

(西澤成世)

(エジプト、イスラエル、パレスチナ)

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