イスラエル・ハマス衝突、日本の外務省はレバノン国境地帯などの危険レベル引き上げ

(イスラエル、パレスチナ、レバノン、ドイツ、米国、英国、日本、ヨルダン)

テルアビブ発

2023年10月20日

イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム原理主義組織ハマスの軍事衝突開始(2023年10月10日記事参照)から10月19日で12日が経過した。

日本の外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは18日、レバノン南部に展開する武装勢力からのミサイル発射継続などを受け、レバノンとの国境地帯の危険レベルを「レベル4:退避勧告」に引き上げた。また、ヨルダン川西岸地区でイスラエル治安部隊・入植者とパレスチナ人との衝突事案が増え、今後も頻発する可能性があるとして、同地区を「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」に引き上げた。テルアビブやエルサレムを含む地域はレベル2「不要不急の渡航は止めてください」の状態が継続している。

また、外務省は19日夜、航空自衛隊のKC-767によってイスラエルから出国した邦人60人とその外国籍家族4人、韓国人18人とその外国籍家族1人の計83人がヨルダンに到着したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

イスラエル国防軍(IDF)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは深夜から早朝にかけて、レバノン国境沿いのイスラム教シーア派政治・武装組織ヒズボラの観測所を攻撃したとした。また、IDF外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはガザへの攻撃を続けており、19日には数百カ所のハマスのテロ施設を攻撃したことを明らかにした。パレスチナ自治政府(PA)保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、IDFの空爆によって19日現在で3,785人が死亡し、1万2,493人がけがをしたとしている。

ハマスも19日、イスラエルの南部や中部などへロケット弾による攻撃を継続的に行った。イスラエルの民間防衛軍(ホーム・フロント・コマンド)は19日に140回の警報を発令しており、主要商業都市のテルアビブでも2回発令された。

画像 イスラエル民間防衛軍(Home Front Command)の空襲警報画面(ジェトロ撮影)

イスラエル民間防衛軍(Home Front Command)の空襲警報画面(ジェトロ撮影)

「エルサレム・ポスト」紙電子版(10月20日)によると、イスラエル側ではこれまでに少なくとも1,400人が死亡したとしている。また、イスラエル保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、19日午後8時時点で4,629人が病院に移送されたとしている。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は17日のドイツのオラフ・ショルツ首相外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、18日の米国のジョー・バイデン大統領(2023年10月19日記事参照)との首脳会談に続き、19日には英国のリシ・スナク首相と首脳会談を行った。首脳会談後の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでネタニヤフ首相は英国の連帯感や揺るぎない支援に感謝の意を述べるとともに、「長い戦争になる」として英国の継続的な支援が必要と述べた。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、レバノン、ドイツ、米国、英国、日本、ヨルダン)

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