エジプト大統領と外相、ハマスとイスラエルの衝突に関して、各国首脳と電話会談

パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが10月7日、イスラエルに対し大規模攻撃を実行、イスラエル政府が戦争状態を宣言し、反撃している衝突への対応をめぐって、エジプトの国家情報サービスは次々とエジプト政府の動きを報じている。

• アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は7日、国家戦略危機管理センターで事態を注視、さらなるエスカレーションを防ぐためエジプトからの説得を強化するよう指示。
• エルシーシ大統領は7日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話会談、イスラエル側、パレスチナ側、国際機関などとの接触によって事態を沈静化させる努力を協調した。
• サーメハ・シュクリー外相は7日、米国のアントニー・ブリンケン国務長官と電話会談し、緊張緩和と自制を求める調整の必要性を強調。エジプトは、1967年6月の境界に基づく、東エルサレムを首都とする独立したパレスチナ国家を樹立するよう繰り返し求めてきたと説明した。
• シュクリー外相は7日、アラブ首長国連邦（UAE）のアブダッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外相と電話会談。現状の深刻さと、制御不能に陥る危険を除去すべくあらゆる努力を払うことで合意。
• エルシーシ大統領は8日、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王と電話会談。パレスチナ問題の包括的かつ公正な道筋を推進するため、エジプトとヨルダン間の協議を継続することを合意。
• エルシーシ大統領は8日、パレスチナのマフムード・アッバース議長と電話会談。両者は、政治的展望や地域の安全・安定の欠如、さらに民間人の生命を脅かす現状の危険性を強調、また、国際的に公正かつ包括的な解決に到達することが必要と確認した。
• エルシーシ大統領は8日、シャルル・ミシェル欧州理事会（EU首脳会議）常任議長と電話会談。ミシェル議長は暴力と緊張状態を沈静化するため、エルシーシ大統領との協議を強化するというEUのコミットメントを確認した。このほか、ドイツのオラフ・ショルツ首相とも電話会談した。
• シュクリー外相は8日、英国のジェームズ・クレバリー外務・英連邦・開発相と電話会談。シュクリー外相は、紛争の即時停止に向け国連安全保障理事会が対応することの重要性と、パレスチナの大義、パレスチナ人の権利を擁護する措置を講じる必要性を強調した。
• シュクリー外相はこのほか、ヨルダンのアイマン・サファディ外相、カナダのメラニー・ジョリー外相、ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相、オランダのハンケ・ブラウンス＝スロット外相らとも電話会談を実施。エジプト外務省は、これら会談は紛争のこれ以上の激化を防ぐための継続的な協議の一環だとした。

（西澤成世）