バイエルン州議会選挙で与党CSUが勝利

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年10月10日

ドイツ南部のバイエルン州で10月8日、州議会選挙が行われた。投票率は2018年の前回選挙(2018年10月16日記事参照)から1.0ポイント増(注)となる73.3%で、約940万人が投票した。

現与党でマルクス・ゼーダー・バイエルン州首相が率いるキリスト教社会同盟(CSU)が前回から0.2ポイント減となる得票率37.0%で、第1党の座を維持した(添付資料表1参照)。CSUは前回に引き続き、単独で過半数の議席を獲得できなかったため、他の政党と連立交渉を行うことになる。州議会選挙前の世論調査でCSUの第1党維持が確実視される中、第2党の行方が注目されたが、CSUと連立を組む「自由な有権者(Freie Wähler)」が4.2ポイント増となる15.8%を得票し、CSUに次いだ。右派ポピュリズム政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」は4.4ポイント増の14.6%と最大の増加率になった。

他方で、オラフ・ショルツ連邦首相が率いる国政与党の社会民主党(SPD)は1.3ポイント減となる8.4%、ショルツ首相が連邦政府で連立を組む緑の党は3.2ポイント減の14.4%、同じく連立の一角である自由民主党(FDP)は2.1ポイント減の3.0%の得票率となり、いずれも前回から票を減らした。FDPは議席獲得に必要な5%に至らなかった。

議席数を政党別にみると(添付資料表2参照)、CSUが85議席となり、過半数(102議席)を獲得できなかった。「自由な有権者」は37議席、AfDは32議席とそれぞれ前回より10議席増やした。

2021年12月に発足したショルツ首相率いるSPD、緑の党、FDPで構成する連立政権にとって、今回のバイエルン州議会選挙および同日に実施された中部ヘッセン州議会選挙は「中間選挙」的な意味合いを持つとされるが、今回のバイエルン州の選挙結果はショルツ政権にとって痛手となることが必至だ。

(注)2018年の同州議会選挙の得票率は発表時の72.4%から72.3%に修正されている。

(鷲澤純)

(ドイツ)

ビジネス短信 63c5678f75d24630