米サニーバ、ジョージア州で太陽電池製造を再開、インフレ削減法が契機

(米国)

アトランタ発

2023年10月18日

米国の高効率単結晶シリコン太陽電池メーカーのサニーバは10月11日、ジョージア州ノークロスにある太陽電池製造施設のアップグレードと拡張を行い、操業を再開すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

第1期拡張工事では、最大240人を新たに雇用し、年間の製造能力を1ギガワット(GW)まで引き上げ、2024年春までに生産を開始する予定だ。その後の第2期拡張工事では、年間製造能力を2.5GWまで向上させる。同社は2023年初め、オリオン・インフラストラクチャー・キャピタルから1億1,000万ドルの資金調達コミットメントを獲得しており、最新鋭の製造設備を新たに導入することで、地上設置型や屋上用途に適した高効率の米国製太陽電池が供給可能になるという。

同社は、米国最大の太陽電池メーカーとされ、ジョージア州とミシガン州で工場を運営していたが、安価な輸入品に対抗できず、2017年に破産を申請し、操業停止していた。破産申請直後、同社は連邦政府に対し、輸入太陽電池セルとパネルへの通商法第201条の適用を請願し、2018年から太陽光発電製品へのセーフガード措置が発動している(2018年1月30日記事参照2022年2月7日記事参照)。

同社は2017年から休眠状態だったが、2022年に成立したインフレ削減法(IRA)のクリーン生産設備導入への税額控除をきっかけに、製造を再開することとなった(2022年10月6日付地域・分析レポート参照)。同社によると、米国産セルを含むパネルを使用するプロジェクトは、米国製の設備を使用することで、IRAに定められた再生可能エネルギー施設に対する30%の税額控除に加えて、設備費用の10%相当の税額控除を受けることができる(10月11日ロイター)。ジョージア州では2023年1月に韓国のハンファQセルズも太陽電池モジュール製造施設拡大を発表しており(2023年1月12日記事参照)、IRAを契機としたクリーンエネルギー関連投資が拡大している。

(檀野浩規)

(米国)

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