東方経済フォーラム、今回は外国首脳の出席なし

(ロシア)

調査部欧州課

2023年09月22日

ロシアのウラジオストクで9月10~13日に、東方経済フォーラムが開催された。主催者の発表(9月15日)によると、フォーラム期間中には、373件、総事業規模にして3兆8,180億ルーブル(5兆7,270億円、1ルーブル=約1.5円)に上るビジネス関連文書が締結された。前回(2022年9月12日記事参照)と比較すると77件増加、規模も5,000億ルーブル以上増加した。

締結された主な協定をみると、開発金融機関のVEB.RF、ズベル(ズベルバンク)、極東・北極圏発展省と極東・北極圏発展公社が、極東連邦管区における、総額1兆970億ルーブルの投資プロジェクトの実施に関する協定に調印した。極東・北極圏発展公社とハバロフスク地方にあるエルガ港の運営会社が、同港石炭海上ターミナル建設のための協力協定に調印。施設の建設に1,360億ルーブル以上が投じられる予定で、少なくとも3,000人の新規雇用の創出が見込まれる。また、極東・北極圏発展公社と水産大手アンテイグループ間で投資協定が締結され、カニ漁船8隻の建造、港湾インフラ複合施設2棟の建設、カニ漁用地8区画の取得に対して1,240億ルーブルの資本投資が行われる見込み。

12日の全体会合にはウラジーミル・プーチン大統領とラオスのパニー・ヤートートゥー国家副主席が出席した。2022年はミャンマー、アルメニア、モンゴルの首脳が出席していたが、今回は外国首脳の参加はなかった。全体会合の中でプーチン大統領は、2014年から2022年にかけてロシア全国への投資の伸びは13%だった一方、極東地域は39%となり全国と比べて3倍の伸びとなったことや、過去5年間において極東地域のほとんどが地域総生産成長率において国内の上位に入っていることに言及し、極東地域の潜在力についてアピールした。

東方経済フォーラムは2015年からほぼ毎年開催され、今回で8回目となった。

(後藤大輝)

(ロシア)

ビジネス短信 d1eb6f3db46a2ac6