トヨタ、米カリフォルニア州の物流拠点で水素施設完成を発表

(日本、米国)

ロサンゼルス発

2023年09月15日

トヨタ自動車の北米事業体トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA、本社:テキサス州プレイノ)と、燃料電池発電事業を手がけるフューエル・セル・エナジー(本社:コネチカット州)は9月7日、米国カリフォルニア州ロングビーチ港の物流拠点トヨタロジスティクスサービスで、グリーン水素をオンサイトで生成する施設「Tri-Gen(トライジェン)」が完成したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

Tri-Genは、2.3メガワット(MW、注1)の発電が可能な燃料電池発電所と水素ステーションを併設しており、畜産場の家畜排せつ物や余剰食品などの廃棄物系バイオマスから水素を取り出し、燃料電池を用いて発電することで、再生可能エネルギーから水素、電気、水の3つの物質を生成する。

発電して得た電気は物流オペレーションに利用するとともに、1日当たり約1.2トン(注2)の水素を生産し、同社の燃料電池車(FCEV)「MIRAI」への供給分として使用する。水素は港湾オペレーションに使用する大型商用トラックなど、他の燃料電池車両にも供給可能とされている。また、余剰電力は地域の電力会社サザン・カリフォルニア・エジソンに供給するなど、地域社会にも貢献する。

TMNAの最高管理責任者(CAO)のクリス・レイノルズ氏は「トヨタのCO2(二酸化炭素)排出量削減目標の達成を支える世界最大規模の施設が完成した」と述べた。

同施設の運営はフューエル・セル・エナジーが行うとされており、TMNAは同社から水素と電気、水を20年間購入する契約を締結した。

(注1)米国の一般家庭約2,300世帯分の1日当たりエネルギー消費量に相当する。

(注2)MIRAI約200台以上を充填(じゅうてん)できる量に相当する。

(堀永卓弘)

(日本、米国)

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