シャップス氏が国防相に就任、エネルギー担当相は交代

(英国)

ロンドン発

2023年09月01日

英国政府は8月31日、エネルギー安全保障・ネットゼロ相のグラント・シャップス氏が国防相に就任したことを発表した。約4年間、国防相を務めたベン・ウォーラス氏は退任する。エネルギー安全保障・ネットゼロ相の後任には、クレア・クティーノ氏が就任することも合わせて発表された。

シャップス氏は、初代エネルギー安全保障・ネットゼロ相として、エネルギー安全保障の強化に向け対応。米国やフランスなどとの国際連携強化を図り、2023年4月に札幌で開催されたG7気候・エネルギー・環境担当相会合にも参加した。直近ではウクライナ・キーウを訪問し、8月23日に英国によるウクライナへの原子燃料供給に関する支援を発表した。2023年2月のエネルギー安全保障・ネットゼロ相就任からわずか数カ月だが、シャップス氏のこれまでの豊富な閣僚経験や、エネルギー安全保障政策を通じたロシアによるウクライナ侵攻に関する問題への関与に加え、総選挙を控えた中での(国民に対する)発信力がリシ・スナク首相らから評価されていることが、国防相就任の要因と報じられている(「BBCニュース」8月31日)。

報道によると、シャップス氏の後任となるクティーノ氏は38歳で、投資銀行、シンクタンク、NPO勤務などを経て、2019年12月に保守党下院議員として初当選(イーストサリー選挙区)。労働・年金省政務次官を経て、2022年10月から教育省政務次官を務めた。インド系移民の医師を両親に持ち、下院議員になる前には、当時、財務省首席国務相だったスナク首相のアドバイザーを務めていた。クティーノ氏は現内閣で最年少の閣僚となるが、こうした背景から、今回の登用についてはそれほど驚くべきことではないだろうとされている(「BBCニュース」8月31日)。

なお、英国政府は同日、クティーノ氏の後任として、デイビッド・ジョンストン氏が教育省政務次官に就任することも発表した。

(菅野真)

(英国)

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