中銀が政策金利を据え置き、2会合連続

(イスラエル)

テルアビブ発

2023年09月14日

イスラエル中央銀行は94日に金融委員会会合を開催し、政策金利を4.75に据え置くことを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。据え置きは前回7月(2023713日記事参照)に続き2会合連続となる。

中銀の金融委員会は「イスラエルの経済活動は高水準にあり、労働市場の逼迫を伴っているが、多くの指標ではある程度の緩みが見られる」と説明した。その上で「インフレは依然として広範で高水準にあるが、ここ数カ月はインフレが鈍化している」として、金利の据え置きを決定した。ただし、インフレ環境が予想どおりに緩和し続けない場合、将来の会合で金利を引き上げなければならない現実的な可能性があるとした。

過去1年間でインフレ率は低下したが、足元の7月のインフレ率は前年同月比3.3%で、中銀の目標レンジ(13%)の上限を上回っている。また、イスラエルの通貨シェケルは20231月から8月にかけて、ドルに対して7.5%下落している。中銀は、シェケル安がインフレペースの上昇に寄与しており、今後数カ月の為替レートの動向がインフレの動きに影響を与えるとみている。

中銀のアミール・ヤロン総裁は「グローブズ」紙(94日)のインタビューに対し、「2024年第1四半期(13月)にはインフレ率が目標範囲に収まることが予想さることから、現時点では金利を据え置くことにした。インフレ率は確かに低下しており、われわれは常に、インフレ率を目標レンジに戻し、経済への潜在的なダメージを最小限に抑えるという、このバランスを探っている」と答えた。

次回の政策金利決定は1023日に予定されている。

(中溝丘、ガブリエル・ホドス)

(イスラエル)

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