6月のGDP成長率は前年同月比5.3%、上半期は前年同期比1.4%

(ロシア)

調査部欧州課

2023年08月09日

ロシア経済発展省は8月2日、6月の実質GDP成長率(推計値)を前年同月比5.3%(前月伸び率より0.1ポイント減)、第2四半期(4~6月)の推計値を前年同期比4.6%(前期より6.4ポイント増)、上半期の推計値を前年同期比1.4%と発表した(添付資料表参照)。建設業が堅調に推移したことや、小売りの回復、ウクライナ侵攻後に急減した製造業の反動増によりプラス成長となった。

6月の鉱工業生産は前年同月比6.5%増だった。鉱業の伸び率は前月から3.6ポイント減のマイナス1.7%だった。このうち石炭採掘が2.3%増(前月より4.0ポイント減)、金属資源採掘が1.0%増(前月より3.5ポイント増)、その他の資源採掘14.8%減(前月より17.2ポイント減)、鉱業分野のサービスが4.3%増(前月より2.7ポイント増)だった。

製造業の伸び率は前月から0.3ポイント改善し、13.1%増だった。機械製造業が自動車、コンピュータ・電子機器の回復を背景に40.2%増(前月より4.4ポイント減)、冶金(やきん)・金属加工業が17.7%増(前月より3.0ポイント増)と好調に推移したことが製造業全体の伸びに寄与した。

6月の自動車生産は前年同月比51.7%増(前月より34.6ポイント減)と推移している。自動車調査会社アフトスタト(7月5日)によると、6月の乗用車新車販売台数は前年同月比2.5倍の8万2,407台だった。連邦国家統計局によると、6月の乗用車生産台数は前年同月比3.1倍の4万2,000台、1~6月では前年同期比29.9%減の19万7,000台だった。

建設業は前年同月比10.0%増(前月より3.5ポイント減)とプラスで推移している。農業も2.6%増(0.3ポイント減)だった。貨物輸送は前年同月比1.7%減(前月より2.8ポイント増)だった。

労働市場は安定しており、6月の失業率は3.1%だった。5月の実質賃金は前年同月比13.3%増だった。

小売商品売上高は前年同月比10.0%増(前月より0.7ポイント増)だった。

ロシアの公式GDP統計は、四半期別と年別について連邦国家統計局が、推計値として月次の成長率は経済発展省がそれぞれ発表している。

(小野塚信)

(ロシア)

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