米ロサンゼルス市職員、1万1,000人以上がストへ、行政サービスの混乱懸念

(米国)

ロサンゼルス発

2023年08月08日

米国際サービス従業員労働組合(SEIU)傘下で、南カリフォルニアの公共セクターに従事する労働者の組合のSEIUローカル721は8月4日、ロサンゼルス市職員が8月8日に24時間のストライキを実施すると発表した。

「ロサンゼルス・タイムズ」紙(電子版8月4日)によると、ストライキには1万1,000人以上が参加する見込みで、15年ぶりの大規模なものになるとしている。ロサンゼルス市庁舎のみならず、ロサンゼルス国際空港やロサンゼルス港などの職員も含まれるとみられることから、影響は広範囲に及び、さまざまな行政サービスに混乱が生じる可能性がある。同紙は同組合による情報として、同市が組合員との交渉を誠実に行わず、従業員と組合の権利を制限していることをストライキ実施の理由に挙げている。

このストライキに対して、ロサンゼルス市のカレン・バス市長は8月5日に声明を発表し、「市の職員は毎日何百万人もの市民のためのサービスを提供しており、地域経済にとって不可欠な存在だ。彼らには公正な(労使)契約を結ぶ権利があり、われわれは1月以降、SEIUローカル721と誠実に交渉してきた」と労使交渉の経緯を説明した。また「ロサンゼルス市は24時間週7日、常に前進できるよう努める」と述べ、同市サービス混乱への影響を最小限にとどめるとした。

なお、ロサンゼルスでは、7月に全米俳優組合が63年ぶりにストライキを実施したほか、ホテルや公立校でもストライキが実施されるなど、さまざま業種で労働争議が続いている。

(堀永卓弘)

(米国)

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