ウクライナ中銀、政策金利を引き下げ、2023年成長率見通しを上方修正

(ウクライナ)

ワルシャワ発

2023年08月07日

ウクライナ国立銀行(NBU、中銀)は7月27日、主要政策金利を25%から22%に引き下げると決定した。7月28日から適用された。今回の利下げは、当初の予想よりインフレ率が顕著に改善する中、経済の回復を下支えすることが狙い(7月27日付プレスリリース)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

NBUは利下げの背景について、急速に低下しているインフレ率と外国為替市場の安定を挙げている。NBUはディスインフレ傾向がさらに続くと予想しており、2023年のインフレ率見通しを14.8%から10.6%に下方修正した。

2023年1月に前年同月比26.0%を記録したインフレ率は、6月は12.8%となり顕著な鈍化をみせた。このようなインフレの劇的な減速は、NBUの予想を上回るもので、NBUは食料品と燃料の両市場が飽和状態にあることや世界的なエネルギー価格の下落などの要因を挙げた。

2023年通年のGDP成長率予測については、5月時点の2.0%から0.9%ポイント上方修正し、2.9%とした。一方、2024年は3.5%と前回予測の4.3%から引き下げ、2025の成長率予測は6.8%と前回と比べ0.4ポイント上方修正した。

NBUは2022年6月、ロシアの本格的なウクライナ侵攻により引き起こされた2桁に上るインフレ対策のため、主要政策金利を10%から25%に引き上げていた(2022年6月6日記事参照)。NBUは20234月、2023年第4四半期まで主要政策金利を25%に維持する見通しを発表していた。

(マルタ・ゴロンカ)

(ウクライナ)

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