「2023世界木材・木製品大会」が山東省日照市で開催

(中国)

北京発

2023年07月14日

中国木材・木製品流通協会(以下、協会)と山東省日照市政府は746日、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大後の木材貿易活性化を目的として、「2023世界木材・木製品大会(以下、大会)」を山東省日照市で開催した。日照港は現在、中国で最大の木材輸入港で、木材の関連産業が集積している。大会では、世界の木材・木製品業界の発展方向について各種講演がなされたほか、サイドイベントとして中国企業と外国企業間のビジネスマッチングなどが開催された。

大会には、中国国家林業草原局、日照市政府、商社やメーカー、林業事業者、学術機関、技術開発者のほか、日本、ニュージーランド、米国、ロシア、オーストラリアなど14カ国の政府機関と外国企業を含む約600人が出席した。

写真 世界木材・木製品大会全体の様子(ジェトロ撮影)

世界木材・木製品大会全体の様子(ジェトロ撮影)

協会による基調講演では、新型コロナの感染拡大の影響で中欧班列(注)の輸送量が減少したことを受け、ロシアから中国への木材輸出が減少したと説明。このため、2022年の中国木材輸入量は前年比24.07%減の7,017万立方メートルで、輸入額は17.39%減の1606,600万ドルだったとした。また、2023年も主要輸入国からの木材輸入量が依然減少している中、日本からの輸入量は大幅に増加したため(202315月は前年同期比14.6%増)、今後、日本産木材は中国市場でのシェア拡大が期待できるとの発言もあった。

写真 中国木材・木製品流通協会による講演の様子(ジェトロ撮影)

中国木材・木製品流通協会による講演の様子(ジェトロ撮影)

大会では、各国状況の紹介もあり、日本については日中経済協会北京事務所副所長兼農林水産・食品室室長の山田智子氏が「木材・木材製品の輸出拡大に向けた中国への取り組み方針」と題して講演を行った。

写真 日中経済協会による日本産木材プレゼンの様子(ジェトロ撮影)

日中経済協会による日本産木材プレゼンの様子(ジェトロ撮影)

協会とジェトロは大会のサイドイベントとして74日に、ビジネスマッチングイベント「中外木材企業意見交流会」を開催した。交流会には日本企業の責任者のほか、中国木材事業者、ロシア、ニュージーランド、カナダなどの企業の責任者、政府機関の代表を含む約30人が参加し、外国企業と中国企業などの間で活発な商談が行われた。また同日には、木材企業向けの法規解説セミナーが開催され、中国林業科学院の研究者などが講演した。講演では、環境保護が世界的な課題となる中で、日本のクリーンウッド法を含め各国でさまざまな森林保護の法規整備が進んでおり、こうした環境規制に対応していくことの重要性などを説明した。

写真 「中外木材企業意見交流会」の様子(ジェトロ撮影)

「中外木材企業意見交流会」の様子(ジェトロ撮影)

大会に参加した長谷川萬治商店の技術開発室室長の鈴木康史氏は「初めての参加だったが、中国木材企業や協会の幹部の方と面識を得ることができた。具体的な商談の話もあり、帰国後早速検討していきたい。日照市の木材輸入量は日本全体の製材などの輸入量に匹敵すると聞いている。そのような同市の大規模な工場・港湾などを見学でき、さらには大会でさまざまな講演を聞けたことも有意義だった」と感想を述べた。

なお、例年秋に開催される世界木材・木製品貿易大会(2021年10月4日記事参照)は、2023年11月に広西チワン族自治区の南寧市で開催される予定だ。

(注)中国と欧州やロシアなどの「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車。

(朱琳)

(中国)

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